LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
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167話 挽回のチャンスを与える
かつて西王国に強大な影響力をもたらした前王妃・クリスタが亡くなった後も、世間は穏やかなままだった。
近頃は暑くなり、あたりには矢車草が咲き乱れ、その香りが立ち込めていた。
貴族たちの装いも暖かい時期用の軽やかなものになり、華やかな色合いが目立つようになっていた。
ハインリは数日間カフメン大公に”魔力の流れを感じるための手助け”をする方法を学んだ。
そしてナビエの近くで、絵本を読んだり、子育てに関する本を読んだり、ピアノを演奏したりした。ナビエはカフメン大公とハインリの目を盗んで、トイレに行くのが日課になっていた。
マスタースやナビエの兄は身体によいと言われる薬を調達してくれたり、ナビエの母は西大帝国に少しでも長くいれるようにと真剣にナビエ父と議論をしてくれていた。
一応、ラスタが父と母に暗殺者を送ってきたがハインリのおかげで事なきを得たことも伝えたが、暗殺者などにやられる家ではない、と一蹴されて笑われてしまった。
ナビエはたまにクリスタのことを思い出して落ち着かない気持ちになる時もあったが、おおむね平和な日々を過ごしていた。
***
ある日の夕方。街の視察から帰ったハインリが、パーティーの話を持ち出した。
「私たちも妊娠の祝賀パーティーを開きませんか?」と言う。
ナビエは居眠りをしていたが、驚いて目が覚めた。パーティーと言えば、ソビエシュとラスタのパーティーを思い出す。当時の悲壮な気持ちを思い出して、「あなたの誕生日パーティーも近々あるでしょう?参加者の負担になりますよ。」と、反射的に反対した。
それでもやろう!と言うハインリ。招待状も自分が書くと言い出した。
その姿を見て、ナビエはしぶしぶ頷いた。ハインリの”どうしてもパーティーをやりたい!”という気持ちを汲んだのだった。
「招待状は半分書きます」と言うと、ハインリは「自分が全部やるから、音楽でも聴いて休んでいてください!」と言う。これは何か裏があるな…と思うナビエだった。
*****
一方の東大帝国。
ハインリからの招待状を受け取ったソビエシュは「ろくでなしが…」と思わず呟き、招待状を投げつける。すると、壁に掛けた例の絵に当たった。
”妻が妊娠したので是非祝って欲しい”。”過去の縁でこの程度のお祝いはしていだけると信じています”。”妊娠と出産を経験した父親の先輩としてアドバイスをお願いしたい”
なんという内容だ。「…クレイジーだ!」と怒り狂うソビエシュ。
さも、古くからの友人のような手紙の内容。思ってもいないような内容に余計に腹が立った。
自分が参加したらどうなるか目に見えている。そもそも、出産の祝賀会に皇帝が参加していることの方が少ない。なのに、出席するようにとは何事だ。
離婚して1年も経っていない元夫がその会に参加して、東大帝国と西大帝国の仲は素晴らしいと思う人がいるわけがない。誰もが後ろ指を指す話だ。
「陛下」
後ろからカルル侯爵が呼びかける。
何かと問うと、ラスタがエルギ公爵に抱えられて泣いているようだと伝えてきた。
どうやら今の話ではなく、噂として聞こえてきたので昨日あたりの話らしい。
昨日と言えば、ラスタの最初の子供とアレンと会った日。ソビエシュは虚しい笑みを浮かべる。ラスタはどうしてここまで皇后という自覚が持てないのだろうかと頭を抱えた。
さらに、昨日はまさに娘の父親が自分ではないかもしれない(自分が不妊かもしれない…)という疑念を抱き始めた日であった。それもあって更にラスタへの怒りが募った。
カルル侯爵によると、アレンはソビエシュに会ったのち、ラスタと面会していると言う。
その話を聞いて、娘の父親は誰なのか考えを巡らせる。まさか、エルギ公爵‥ということは無いだろうが、男性貴族とパーティーをしていたラスタを思い出す。”第三者がいるかもしれない”とまで思い始めていた。
カルル侯爵はラスタに忠告するかどうか質問を投げかけるが、もはやソビエシュやカルル侯爵の言葉を聞くとは思えなかった。
その問題はさておき、ナビエへ妊娠祝いとしてプレゼントを贈ることにした。これは隣国の皇帝の対応として普通の話であり、自然だった。
何を送ろうかと考えているとふと、壁の絵画が目に入る。
本来であれば、自分とナビエの間に生まれるはずだった子供。夢にまで見ていた子供。その子供にいつか合わないといけない日がくる。ソビエシュの胸はつぶれそうに苦しくなった。いっそ、ハインリだけに似た子であって欲しいーーーとまで願うのだった。
*****
カフメン大公から魔力誘導法のハウツーを全て学んだハインリ。ナビエは早く教えて欲しくて仕方がなかった。しかしハインリは危険があるから、まずテストしてから教えます、と言う。
テストとは…どうやってやるのか、と疑問に思うナビエだが、ハインリにはどうやらテストする相手がいるようだ。
***
その少し後。
マッケナとハインリは執務室にケトゥロン侯爵を呼びつけていた。
到着したケトゥロン侯爵は以前のような鋭い眼光は無く、口元も下がり、目はしょぼくれていた。最近話題になっている夫人の問題(ラスタに西大帝国の皇后の噂をやりとりした話)はどうやら本当で、それが原因で彼を憔悴させている要因と思われた。
マッケナは”いや、もしかするといとこであるクリスタが亡くなったことが原因かもしれない”と思っていた。
しかし、そんな彼を見てもハインリは表情を全く変えなかった。そして「ジュメンシア老侯爵の弱点は何か分かりますか?」と彼に尋ねる。
この声掛けにケトゥロン侯爵は驚く。想定していない質問だった。なぜこの質問をするのかと聞くと、「君にチャンスを与えている」とハインリは言う。
さらには「ジュメンシア老侯爵は、クリスタを売って自分の罪を無きものにした。次は君が叔父を売るかどうか、選ぶ番だよ。さもなくば君が売られるよ。」とまで言った。
ケトゥロン侯爵は青ざめる。
しぶしぶ「彼の二人の孫が弱点です」と伝えた。
ハインリは思わず口元を緩めた。そして、さらに伝える。
「弱点を伝えてもらうだけじゃ、君の罪を償うには足りない。君の身体を貸して欲しい」
と。
「からだ?!」と、この話に驚いたマッケナは持っていた書類を全部落としたのだった。
*
しばし流れる穏やかな空気…。
しかしハインリは「妊娠祝賀祝い」をやると言い始めたそうですw
ソビエシュ&ラスタもやってましたもんね。
ハインリはやり手です。それを何とかしてソビエシュに来るように厭味ったらしく手紙を出すところがなんとも…。
そしてその手法は確実にソビエシュに効いてますね!
で、魔法をコントロールする方法を教える方法を拾得したハインリ!
まずは…確かめるために、テスト材料としてケトゥロン侯爵を使う様子ですね!
身体を貸して…で、マッケナが勘違いしているけど…!そういえばハインリは男色という噂が第一シーズンでありましたねw
*
この続きの168話はこちらから!
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