LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
197話 判決
判決
ラスタのその声で場内に静寂が訪れた。一瞬にして全ての音声がオフになったような静けさだった。傍聴席の民衆の目がみなソビエシュに向かった。
ソビエシュの表情は固まっていた。
ラスタは叫び続ける。
「陛下は自分が不能であることを隠すためにナビエ皇后が不妊と偽って離婚し、私は他の男と子供を持つことになったのです!」
その話を聞き終わると場内はにわかに騒がしくなった。あちこちで本当かと声が聞こえる。
この話にはナビエも笑いそうになり必死にこらえていた。ハインリもじっとナビエを見て本当かどうかと尋ねたいという表情だった。
話が話名だけに答えずにハインリから目をそらすと、今度は隣の席から母親が「本当?」と何度も尋ねてきた。
あまりにもしつこく聞くので母にだけこっそり「不能ではない」と答えた。
ラスタが更に叫ぶ。
「陛下のために仕方なく私が子供を産んだのです!これは全部陛下が仕組んだこと!」
あまりのラスタの言いように思わず裁判官が「口を慎みなさい!」と叫ぶ。民衆もそうだそうだ!と同調して声を荒げた。
しかしこれでラスタは完全に爆発した。自分の靴を傍聴席に投げつけ「私が口を慎むというなら、市民は黙れ!」と言い放った。流石にこのラスタの姿に驚いた民衆は静まりかえった。
同じようにソビエシュも驚いていた。
ハインリはラスタの嘘と度胸は凄い…と思わず独り言ちた。
そしてラスタは続けた。「陛下はナビエ皇后と一緒にいた時は子供が出来なかった。けれどもナビエ皇后は他国の男性と結婚したらすぐに子供が出来た。私は誰もが知っているように二人子供がいる。これは誰がどう考えても陛下に種がないという証拠でしょう!」
この話に民衆はみなソビエシュを見た。
ラスタの発言の内容が本当だったとしても、ソビエシュが不妊かどうかを確認する方法は無い。証拠も無いのに、『皇帝が不妊だ!』などと言う事は立派な不敬罪で、みな静かに反応を伺っていたのだった。
ナビエはソビエシュを見た。彼は無表情でラスタを眺めていて、一見冷静な様子だった。しかし、ソビエシュと長い時間を共にしてきたナビエには彼が非常に怒っているのが見て取れた。今ここで何か反論したところで混乱を招き、自分の体面が傷つくだけだと理解しているから、冷静を装っているのだと思った。
*
ラスタがここまで言ったところで、ジョアンソンが「私が話す時間です!」と言葉を遮り話を始めた。
「ラスタの実父と言う男は奴隷で、娘はラスタという名前である。彼はラスタに呼ばれて家を出た後行方不明となっていることを知っているか」と判事に訪ねた。
ラスタはすぐさま「そんなことない!」と抗議。
しかし今度はカルル侯爵がその男を証人として呼んだと言い、その場に連れてきた。
そして彼は「ラスタに呼ばれて宮殿へ向かう途中に正体不明の人に連れて行かれ死にそうになったところを近衛騎士が助けてくれた」と証言した。
*
続いてラスタのメイドが証人に登場。逃亡を助けようとした側近メイドのリアンを殺害しようとしたと証言した。
さらにラスタに雇われたという暗殺者が登場。彼はトロビー侯爵夫婦の暗殺依頼を受けたこと(実際は実行していない)を告白。
ラスタは叫びながら全部違うと言った。
*
最高裁判事はソビエシュに彼女に皇后としての免責権を発揮するか確認したが、ソビエシュはその必要は無いとキッパリ返事をした。
ラスタは、顔を真っ赤にしてこう叫ぶ。
「陛下が不能であることを隠したのに、さらにそれを隠すために前皇后を捨てたことも隠したのに!自分を利用して捨てるのですか?」と。
裁判官はこれまでの罪、神聖な場を穢した罪、皇帝への侮辱罪について、認めるか?とラスタに聞いた。
全て認めない!と言い放つラスタだったが、皇后だったことも考慮して幽閉の刑となった。
ラスタは待機していた近衛騎士二人に両脇を抱えられ、退場した。ソビエシュも続いて無表情のまま退場。
ナビエとハインリも退席した。
ラスタの爆弾発言により、もし次の皇后がソビエシュとの子供を産まなかったら、彼を不能と疑うだろう…とナビエは思った。
自分の子供ではない子が後継者となると権力は分散する。
ハインリの兄は子供を持たなかったがために権力が不安定になった。ハインリはそのために国外をさすらっていた。
仮にこのままソビエシュの子供がいなくても、彼の後継者になる人はハインリのようにふるまってくれるだろうか。
ソビエシュのためにそこまでしてくれるだろうか。
*****
その頃のカフメン大公。
ある調査官を見ていた時”なぜこちらを見ているのだろうか?”と、聞こえた。それは前回気になっていた例の声の持ち主の心の声だった。
敢えて視線を外して別の人を見て見ると心の声が更に聞こえた。
”あの男、そういえば王妃様(クリスタのこと)とも関わっていたような。王妃が追い出される時は突然皇帝の肩を持っていたと聞いたし…一度イマルさんに確認を依頼しよう‥”と。
イマルはクリスタに非常にかわいがられていたメイドの一人だった。
カフメン大公はナビエのためにクリスタのメイドを調べたことがあったので、彼女についていくつか知っていた。彼女はクリスタと非常に近い存在であったが、結婚したばかりであったため、コンプシャーへついて行かなかった。
カフメン大公は気にかかり、彼女に会いに向かった。
*
会いに行ったイマルは良い顔をしなかった。彼がクリスタの死と関連しちていると考えていたからだ。
カフメン大公は気にせず「皇后の襲撃事件に関して調査しているが、調査官の一人があなたの名前を出した」と伝えた。
すると”イリードがまた酒に酔って他人に何か伝えたの?”という心の声が聞こえて来た。
イリードもクリスタが大事にしていた侍女の一人。彼女はクリスタについてコンプシャーまで行った人間だった。
*
カフメン大公は続いてイリードを訪ねに向かった。しかし彼女は会いたくないと言う。彼女はクリスタの死を間近で見て衝撃を受け、人の目を避けていると言う。
なので、カフメン大公はイマルの名前を使って「イマルから言付けがある」と伝えた。
何とかして会えたイリードだったが、彼女はイマル以上にカフメン大公に対して敵対心むき出しだった。ずっと心の声で悪口を言い続けていたので情報を得ることが難しい状態だった。
何とかして得た情報は『彼女はクリスタが死んだ後”彼”に会いに行った』ということだった。”彼”が誰かは結局最後まで分からなかった。
*
そしてカフメン大公は荷物を纏めてコンプシャーのクリスタが過ごした邸宅へ向かった。
”彼”とはジュメンシア老侯爵やリバティ侯爵、ケトゥロン侯爵などを指すのだろうか…?と考えていた。
しかしカフメン大公が着くと、そこは跡形もなく片付けられていた。調査したかったのに・・・”彼”によって今後またナビエに危害が加えられる可能性もあると懸念した。
その時だった。
「ここまで片付ければ、痕跡を探られることもないだろう」
声が聞こえたのでカフメン大公は隠れる場所を探したが、どこにも隠れる場所が無く…?
*
続く。
今回は長かったです!!
幽閉されたラスタはどうなるのでしょう。死刑じゃないんだ~と思いつつ。
もう一言。カフメン大公フッ軽過ぎませんか?!笑
誤字ありそうですがアップしました‥あとで修正します~汗汗
*
この続きの198話はこちらから
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