LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
239話 懐かしさ
シャレット姫が先に部屋を出て、ナビエと二人きりになったところでカフメン大公は切り出した。
「先程姫の心から変なことを聞きました。特別な意味は無いかもしれないですが、ホワイトモンドの王が『娘が結婚しなければ世界の平和が保てなくなる』と言っているそうです。」
これにはナビエも不思議な面持ちになった。
平和?ホワイトモンドの平和であればまだしも、世界平和とはどういう意味であろうか。規模が大きすぎる。
ナビエはカフメン大公に教えてくれたことのお礼を伝える。
そして、ハインリが受け取った月大陸連合からの新年会招待状の件を思い出した。
西大帝国には新年会招待状を送っていたが、他の国には新年会招待状を偽装した他の信書を送っていたらしい一件だ。手紙を受けた国々が緊急会議に入ったのだし、重大な問題と推測された。
――そのことと関連するかもしれないとナビエは思った。
カフメン大公はこれからもナビエを支援すると約束して部屋を出た。
(これまでの詫びの気持ちらしいです)
***
カフメン大公が出てすぐ、ナビエはマッケナとハインリを呼び寄せ、彼から今聞いた話を伝えた。
そしてナビエは「ホワイトモンド王が『平和』という言葉を使ったが、多分それは月大陸連合が仕組んでいることが平和と反する行動であるからだと推測する」と伝えた。
説明を聞いたハインリは大体を理解したようで暗い表情で頷いた。
「もっと急いで魔法石を改修する必要がありますね」ハインリはそう答えたのだった。
*****
一方の多国籍騎士団第四団長エインジェルとその部下たち。
「何かしらの情報が入ったら、西大帝国はより焦って魔法石回収を急ぐだろう」
「そもそもそんな情報が入らなかった場合は?」
「入らなかったらそれはそれで大丈夫だ」
エインジェルは楽観視していたが、部下たちは不安げな表情だった。
「しかし団長。月大陸連合首長は東大帝国と西大帝国、両方を討つことを狙っているのではないですか?しかしこのまま行くと両国が手を組む可能性があります。そうなると、太刀打ちできません」
このように部下は告げた。
それでもエインジェルは勝機があると考えていた。なので笑って、「だから一国ずつ討つことが大切なのだ」と言った。
一国がどちらを指すのかは分からないが…。
*
そこへ、ブルーボヘアンから例の信書の返事が来ていると部下から連絡が入る。
ブルーボヘアンはエルギ侯爵がいる場所だが…と思ったエインジェルは、
「どうやらエルギ公爵は捨てられたようだな」と呟いたのだった。
*****
その頃エルギ公爵は彼の母親といた。
母親は自分が編んだショールを彼に渡してかけほほ笑んだ。彼も微笑を返す。平和な光景、そのものだった。
*
母が眠りに着くと、エルギ公爵は彼女に布団をかけ外に出た。
彼はすぐに表情が厳しくなった。先程母に見せていた優しい表情とは打って変わっていた。
なぜなら、目線の先ー本館の前に立つ父親・クロウディア大公と対面したからだった。
*
エルギ公爵は無視して彼の横を通り去ろうとした。
しかしそこで大公が呟く。「お前が犯した恋愛遊びが何を起こしたのか分からないのか?」
これにはエルギ公爵も無表情で固まり、立ち止まる。
「どういう意味ですか?」と返すと、「帝国の対立の話だ」と答えがあった。
*
その夜、エルギ公爵は父の言葉が気になり色々調べたところ、月大陸連合が各国へ微妙なニュアンスの提案連絡をしたことを知った。
そしてブルーボヘアンの王はその提案に肯定的な考えを持っているという返事をしたことも知った。
ブルーボヘアンの王はエルギと東大帝国の因縁が解けないことを知り、このまま東大帝国の敵となるならば、東大帝国自体が無くなった方が都合が良いと考えたのだろう。
エルギは急いで手紙を書いて、鳥の足に括りつけて飛ばした。
*
遠くなる鳥を見送り、視線を窓の下へやると母親のいる別邸が見えた。そこは外の誰からも見えないように隠されている…。
エルギは思わずため息をついた。
母親思いの子供(エルギ)の復讐は一人の女性を死に追いやったのだ。
*****
一方のシャルルとソビエシュ。
シャルルはソビエシュは自分のことが好きではないと直感的に感じていた。だからであろうか?ソビエシュの視線を感じるだけでも背筋が凍る思いだった。
そしてついにシャルルはソビエシュに「家に帰りたい」と伝えた。
それを聞いたソビエシュは、意志の強いまなざしをするシャルルに驚いてたが、口を閉ざした。
最近はソビエシュ自身も変な幻想を見て、昼でも記憶が消えるような状況。ルベティによれば、そんなソビエシュをカルル侯爵が奇妙な視線で見ていると言う。
―――そのように気になることが多い状況の中、こん依頼をしてくるシャルルにイライラした。
シャルルは「父母に会いたい」と言うので、ソビエシュは「一日二日帰ってまた戻って来たらいんじゃないか」と返した。
ソビエシュが彼を早く宮殿に呼び寄せたのは、リールテアン大公家で教育を受けさせたくないという意図があったから、ということもあった。
野心に満ちた大公夫婦なら、息子を振り回して好き勝手するに違いないと思っていた。
しかしシャルルはそんなことは知らずに、ただソビエシュの前で震えているだけ。
理解ができないと思ったソビエシュは優しい声で「暗殺される可能性もあるし、ここにいてはどうか?」と聞く。
するとシャルルは「それでは皇位継承権を放棄します」と泣きながら告げた。
これにはあたりが静まり返る。
ソビエシュは「本気か」と聞くも、彼は本気だと返した。
シャルルは自分自身、自分は頭が良くないと思っていた。しかも、皇帝の席にも興味が無かった。勉強も嫌いである。
興味のない皇帝につくくらいなら、生涯贅沢できる財産を持つ王族という肩書で楽しく過ごしながら生きたいと思っていた。
そもそも聡明と名高い皇帝が、皇帝の座についてから数年でたくさんの事件を起こし、ましてや狂ったように見える…となると、自分が皇帝になってもうまく行かないことは明らかだと思っていた。
***
夜遅く、カルル侯爵は夜のソビエシュに皇位継承権放棄と家に帰ったことを報告した。
息子を皇帝にと望んでいたリールテアン大公がすんなりと息子の帰宅を受け入れたことに違和感を感じるソビエシュ。
そんな彼に対し、カルル侯爵は「こうなってしまった以上、陛下ご自身が再婚されるしかありません」と告げた。
ソビエシュは目を閉じる。ナビエが戻ってくるとは思っていなかったが、再婚する気も起きなかった。
仮に政略結婚をしたとして、昼と夜で別人格が現れる皇帝をどう思うだろうか。不思議に思うだけなら良いが、利用しようと思うかもしれない。皇后がそうしなくても、皇后の家族が何か企む可能性は大きい。
*
「陛下」
ソビエシュが色々考えていると、カルル侯爵が再び話しかけてきた。
「日中は申し上げられませんでしたが、ナビエ皇后が双子を出産しました」
この報告を聞いたソビエシュの表情は固まった。
カルル侯爵は報告をしなくてはならないことがとても残念と言ったが、しなければならない報告だった。
そして、カルル侯爵は言葉を続ける。
「連合側は帝国側を狙っています。西大帝国も連合側に弱点を取られた状況で困っているはずです。しかも、ナビエ様がそこにいらっしゃいます。西大帝国によい感情はお持ちではないでしょうが、お祝いを送って友好的なムードを築いてはいかがでしょうか?」
「ナビエが双子を…」
ソビエシュは返事ではなく、ナビエの名前を呟きながら視線を下げた。
彼は表現することが難しいような暗い感情が込み上がって来ていた。嫉妬心と言うには重い、怒りとも言えないような感情だった。
ソビエシュと会話にならないので、カルル侯爵はしばらく席を空けることにした。
*
一人になったソビエシュは椅子の背もたれに体倒し考える。
――ナビエと毎週していた食事を思い浮べた。彼女のまっすぐな瞳が懐かしかった。怒っている顔でさえ。彼女が産んだ子供はどんな顔だろうか?彼女に似ているのか、似ていないのか。
気になるけど知りたくない、見たくないような。でも会いたいような不思議な感情だった。
そして彼はカルル侯爵を再び呼びつけ、母体に良いものを全て集めて、トロビー侯爵夫人に送るように指示した。自分が送ったと伝えない様にと付け加えて。
指示を終えたソビエシュはベッドに戻り、頭をうずめたのだった。
*
続く。
エインジェルの動きが何やら怖いですね。まあ、そんなんじゃやられない帝国だと思うけど…。
そしてエルギ公爵の話がちょっとありました。一体どんな話なのでしょうか?
あと、シャルルはよくやった!自分の言葉で言えましたね~パチパチ。あんな皇帝見てたら、絶対継ぎたいと思わないよねwそりゃそうだww
*
最近読んでいて思うのだけど、これ、カルル侯爵の荷が重すぎて本当に可哀相w
*
この続きの240話はこちらからどうぞ
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