LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
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249話 彼の定義
エインジェルは頭を上げ、天井を見ると爪痕があった。それは鳥かごからを無理出て、出ていった痕跡であった。
ナビエの部屋は、窓から鳥が逃げれば確実に分かる場所にわざわざしていたし、廊下の窓と扉も全て閉じていた。鳥が逃げたならば、ナビエの部屋に行く他ない。
にもかかわらず、鳥はなく、ハインリ皇帝だけがいるなんて…。
勿論、他の部屋も全て調べているが、それらしい話は聞かない。
これには、エインジェルも首を傾げた。
しかし彼は仮にナビエの部屋で鳥が発見されなかったとしても、その鳥が西大帝国の”最重要な鳥”であることは確信していた。
彼にはもう一つ疑問なことがあった。ハインリ皇帝はいつこの宮殿に入ったのだろうかということだ。
ナビエ皇后が連れてきた護衛の間に混ざっていたのだろうか。それともナビエ皇后が宮殿に戻った時だろうか…考えていると、どこかから風が吹いてきて、床に落ちた羽毛がふわふわと飛んできた。エインジェルはかがんで羽を拾った。
*****
ハインリお風呂に入っている間、マスタースがやってきたので、ハインリが浴室にいることを伝えると、彼女は非常に驚いた。
「え!?一体いついらっしゃったのですか?」
ナビエは詳しい説明をすることができずに困ってぎこちなく笑うと、マスタースは腕を組んで首を傾げた。
「本当に神出鬼没ですね」
幸い以前にも突然に現れることがあったためか、マスタースはそこまで怪しんではいなかった。
ナビエはすぐさま話題を変えた。「今、外が状況がどうなのか教えてもらえますか?」
マスタースは、連合側の騎士たちが4人5人ずつで集団で各来客の部屋に入り、鳥の捜索していた、と言った。
*
彼女が出ていった後、風呂を終えたハインリは自然にナビエに近づいてキスをし、椅子に座った。
「クイーンの唇がとても硬くなりましたね。代わりにバラの香りがします。」
(それはナビエがバラ茶を飲んだからだが)
軽く笑ってハインリもお茶を持って飲んだ。
しかし彼の明るい表情は、マスタースに聞いた話をすると次第に暗くなった。
「クイーン。私を救いに来たそのマスクを書いた人々は―」彼は掬いに来た人々のことが気になったので、あなたの種族の騎士たちです、と伝えた。
しかしハインリの表情は固まった。
ナビエは、ハインリの反応がとても気になった。ハインリが逃げ去った時の状況が悪かったからだろうか。
ナビエ自身も騎士たちが心配になったが、知らないふりをして彼が握ったカップを奪い「危機が訪れたら逃げることを最優先するように言っています」と伝えハインリを安心させた。
*
騎士たちの無事が確認できないまま、ホワイトモンドの王から使者が来て食事の誘いがあった。
ナビエはハインリもここに来ていることを自然に知らせる良い機会だと思い、食事にわざとハインリをその場へ連れて行くことにした。
*
この選択は功を奏した。
食事の際、ホワイトモンド王は、結婚式前に婿に一度会ってみたいと言うので、今度コーシャルと会おうと話をした。
その後もホワイトモンド王とは、ナビエとコーシャルが似ている話などをしていたが、ハインリのことは話題に出なかった。ハインリも特別口を挟まなかった。
しかし、ハインリとナビエが並んでいる姿を見たたくさんの人たちがいる。このままでも、ハインリがここに来ていることは自然に広がっていくだろう、とナビエは思った。
ホワイトモンドの王とは談笑して食事をとったが、ナビエの気持ちは晴れなかった。
それは、”シャレット姫、兄、マスタースとの三角関係を知っているからである。ひきつった笑顔でコーヒーを飲むと、口の中が苦々しくなった。
*****
一方のシャレット姫は、侍女から「結婚式はどんな形式にするのがいいでしょうか? 東大帝国式?西大帝国式?それとも、ホワイトモンド式でしょうか?」と聞かれていた。
しかし、どの形式でも大きな差はないし、何でもいい、とそっけなく回答。
不気味にすら思える憮然とした態度だったが、愚かな侍女は続けてこう言う。
「これから結婚する方がなぜこんなに表情が暗いの?」
これには他の侍女たちも同調。
「そうですよ。新婦は、笑顔でなければなりませんよ。それでこそ、結婚後も良いことが続くのですよ!」
「笑う門には福来るですよ」
しかし、侍女たちの無利上げも虚しく、シャレット姫の表情は硬かった。
侍女たちはお互い目配せし、頭を振った。政略結婚の相手がコーシャルなら、幸運な方だと笑った姫の姿はどこへ行ったのだろうと思うのだった。
そして、シャレット姫はため息をつきながら、なぜ王族は政略結婚をしなければならないのか?と呟いた。
政略結婚をしてでも、王族として生きる方が幸せ、。いつもそう言っていたシャレット姫だけに、侍女たちはこの言葉に驚いた。
シャレット姫は続ける。
「政略結婚をして恋人を側室として置くより、政略結婚をせずに一人で生きた方が幸せじゃない?」と。
*
その時、姫が振り向いてどこかを見つめたので、彼女の侍女たちは同じ方向を見た。すると、そこにはカフメン大公が歩いていた。彼は手に大きな花畑を抱えている。
その大きな花束を見て侍女は皆感嘆した。花束は黒いユリだった。
シャレット姫はその姿をぼーっとしていたが、ふと立ち上がり、そちらに歩いていこうとした。
侍女たちはびっくりしてついて行こうとしたが、姫は一人で行くと言い出ていった。
姫が行ってしまうと、侍女たちは互いに見つめあい、段々その表情は暗くなる。
彼女たちはシャレット姫がカフメン大公に一目惚れたのではないか、心配していた。
*
シャレット姫は大公のそばに近づいていった。
「ねえ」
姫が呼ぶと、前を見て歩いていた大公が冷たい視線を投げた。
彼は少し遅れてシャレット姫が誰なのか分かり、軽く挨拶した。
シャレット姫は腕を組んで首を傾けた。彼は態度だけを見れば、ただの性悪イケメンだと思いながら、自分に何か言うことは無いか、と聞く。
すると、カフメン大公が眉を引き上げた。
「言うことがあるのは姫様の方のようですが。」
「私が?まさか!」
「だから来たのではないですか?」
こう言われたシャレット姫は、慌ててカフメン大公が抱いた花束を指した。
「そうではないわよ。私はだたあなたが通り過ぎる花を見てたから。ああ、そうよ花。この花束のように大きなものを持ってきてよ。」
姫はカフメン大公が来る前からこの近くにいた。元々ここに来た理由は、最近彼がここによく来ることを知っていたからだった。
でも婚約が決まってからは彼を見ない様に努力していた。それでも、なぜかいつも彼と目が合ってしまうのだ。
(カフメン大公が心を読めるからですねw)
なので、姫は”彼が自分に何か言うことがあるのかと思って”声をかけたのだった。
ところが、実際声をかけて聞いてみると、特に言うことは無いと言う。シャレット姫はがっくり肩を下げて帰ろうとした。
すると、後ろから黒い何かが差し出された。
黒いユリの花束。カフメン大公が抱えていた、その花束だった。
「何ですか?」
「花、気になるなら、どうぞ」
シャレットは花束を抱いて慌てて尋ねた。
「誰にあげようと思っていたんじゃないの?」
しかし、なぜこれを自分にくれるのだろうか。黒いユリの花束は美しく包装されており、誰かにあげるものだと思われた。
シャレット姫は傷ついた。
『ロマン小説の中のシーンでこんな感じのものはあるわね。「来た途中に道で拾った」と言って突然のプレゼントを渡すシーン。もちろん、この状況はそんなシーンではないけども…。』
そんなことを心で思っていた。
その瞬間、そのままの言葉が返ってきた。
「来た途中、道で拾いました」
これにはシャレット姫は目を大きく開いた。
「これを????」
*****
ホワイトモンド王と食事を終えた後、ハインリはマッケナと二人でどこかに消えたので、ナビエは護衛を連れて部屋に戻ることにした。
その道中、しばらく不在にしていたランドレ子爵が戻ってきてナビエに紫色のリボンを渡した。非常に豪華な素材のリボンだ。
どこに落ちていたのかと聞くと、ホールの近くにあったと言う。
ホールの近くにリボン。エインジェルだろうか?さて、まさかこのリボンを使ってホールを飾るわけではなかろう。全体の装飾を紫色のリボンを使うなど、装丁としても悪趣味だ。
それでなければ何に使うのだろうか、と悩みながらナビエは一旦リボンを持ってホールの方へ行ってみた。しかし、ホールの入り口は閉まっていた。
*
小さな扉で使用人たちが行き来して扉は開くものの、その都度かなりしっかり閉じられて、中を見ることができなかった。
周囲には騎士も立っていて、関係ない人は入ることはできそうにない。
ここまでして関係者以外を遮断しなくてはならないのか。ナビエにはかなり疑問が残った。あまりにも経鼻が過剰に思えた。
騎士の何人かはナビエを見て頭を下げて挨拶したが、中は見せられない、と言うだけだった。
*
ナビエは仕方ないと思いながらその場を歩いていると、まさに嫌な人物が現れた。エインジェルだった。
彼はナビエを見るなり、眉を吊り上げて声をかけてきた。
「こんなところへ、皇后陛下」
そして、ナビエのが手で持つ紫色のリボンを見て、笑みを浮かべながらも驚いた表情をしてこう聞いた。
「私が鳥に結んでいた装飾をあなたが外したのですか?」
ナビエの部屋で鳥は見つからなかったが、関係なく西大帝国をずっと疑っている、ということだろう。
そして彼はナビエが答える前にまた話を始めた。
「私の鳥を盗んだ犯人たちはとても優れた技術を持っていますね。扉が開くとすぐに逃げ、消えてしまいました。不思議ではないですか?」
「そうですか?」とナビエはしらばっくれた。
そして、エインジェルが続ける。
「幸いなことに、騎士を3人を捕まえました。彼らを尋ねれば、誰がどんな目的で鳥を持ち去ったのかわかります。」
これにはナビエの心臓が凍り付いた。
幸い、表情には出なかったが、自分の部屋に戻る途中で、ナビエの心は暗く沈んでいた。
ハインリたちの種族の3人がエインジェルに捕らえられてしまった。
ハインリはマッケナにこの話を伝えたいのに、彼らはどこへ行ったのか分からない。もしかしたらこの事実を知って二人は相談をしに行ったのだろうか。
*
「皇后陛下」
ちょうど部屋につくと同時に、ランドレ子爵がナビエを呼んだ。
彼の声は暗く、振り返ると表情も暗かった。
「今回のことについて話をしたいことがあります」
ナビエはランドレ子爵にハインリの部下を送って鳥を救うとは言わなかった。だが情況上、彼も何をしたのかを知っているだろう。しかも、彼の部下として来た一部が突然消えて、帰ってこない状況だ。
そもそもランドレ子爵は完全にナビエの部下というわけではなく、施しに感謝をして護衛を志願して自主的に行動していた。なので、彼はナビエへ忠誠心は持ちながらも、いつも線を引いて行動していた。必要以上な詮索は一切しなかった。
今回も数人騎士が消えたが、ナビエが問わなかったため、ランドレ子爵はその部分について聞かなかった。
そんな彼が聞きたいことがある、だなんてどんなことだろうとナビエは悩んだ。捕まったという3人の騎士について尋ねたら、どう答えるべきだろうか…頭の中でぐるぐる考えながら、「なんでも聞いてください」と答えた。
すると彼は、「皇帝陛下は当初、私たちの同行者にはいませんでした。」と言った。
なんと、彼の発言は消えた騎士に対するものではなかった。予想外にハインリについてだった。
ナビエは答えず彼を見つめた。この話は嘘をつくことができない。他の国の人々はハインリがに隠れて来たと推察するかもしれないが、ランドレ子爵は人員を一人一人チェックしていた。彼が知らないとできないことだ。
そして彼は続けた。
「もしかして、皇后が救出した鳥は、ハインリ様ですか?」
この質問にナビエの心臓は飛び出そうになった。
ランドレ子爵は真っ直ぐな目でナビエを見つめた。
以前にナビエが似たような質問をした時、エルギ公爵がすっと答えられなかった理由に共感ができる。他人の秘密は自分がむやみに答えることはできないからだ。
「何のことか分からないけど」
結局ナビエは嘘をついた。子爵は信じていない表情だったが。
すると、意外にも、ランドレ子爵は「代わりに答えてください。」と言う。
そして、もっと深刻な質問を投げた。
「魔力減少現象にハインリ皇帝は関係していますか?」
またナビエの心臓がドキっとした。突然この質問をなぜしたのだろうか?全く予想できなかったことだった。ハインリが鳥かと聞いたのはどう推測したのか理解ができたが、魔力減少現象の話はあまりにも突然だった。
ふと、数日中、ランドレ子爵が表情が暗かったことを思い出した。
ニアンとの口論かと思っていたが、このことが原因だったのだろうか。
「真実を教えてください。お知らせいただければ、ナビエ陛下の部下をエインジェル卿から救い返します。ランドレの名にかけて」と言った。
*
続く。
ええーーーーーー!いいところで終わりましたね。
なんと!!!!ランドレ子爵が魔力減少現象のことに気づきましたね。
彼は何きっかけで気づいたのでしょうか。
日々のナビエの行動と浮き沈みを見ていて分かったのでしょうか。
最後まで翻訳したら、読み返してみたいと思います。
*
そして、シャレット姫とコーシャルのことはどうなるんでしょうか。
マスタースとはうまく行かなそうな気がしてきました‥仕方ないと思うのですが。
*
この続きの250話はこちらから
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