LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
なるべく忠実に書いているのですが、英語で翻訳読みしているので、間違いや全体的に伏線漏れあり。
過去の翻訳はこちらからどぞ!
110話 カフメン大公とハインリ
ナビエは笑顔でカフメン大公に近づこうとしたが、彼の顔が歪んだのが分かった。
ナビエは、”まだ薬の効果が効いているのか?”そう思った。
一歩引いて考えているとカフメン大公の表情が暗くなる。
そこで、後ろからマスタースが「殿下?」と話しかけてきた。ナビエは別の道を行こう、と言いさりげなくカフメン大公の方を避け、方向を変えた。
「あ…」
カフメン大公が思わずナビエを呼び止めようとした手が空振りする。怪訝に思った侍従が質問すると、何でもないと答えた。
その後、カフメン大公は国のVIPのための「星の部屋」へ案内された。
国の富を象徴するためか、たくさんの種類の宝石が地上の星のようにちりばめられた部屋だった。
床には赤いカーペットが敷かれいていて、その最端の席にはハインリが座っていた。
案内係に促され、腰から剣を外した大公は、真っ先にハインリの元へ向かい、祝辞を述べた。
「ご即位、おめでとうございます」
ハインリはその言葉にお礼を述べ、しばし二人は黙り合った。
二人とも、以前のことを思い出していた。
二人が最後にあったのは、大公がソビエシュにパンチを食らわせた時だった。
ハインリはその時まだ王子だったが、そう言えば対立の原因は彼だった。
大公は思わず口元をゆがめた。
ハインリは”クイーンが大公に近づいたらどうしよう…”と不安になった。
大公は祝辞を述べるも、続けて思わず「ナビエのドレス姿はさぞ綺麗でしょうね」と言ってしまう。
その言葉にハインリは顔をしかめたので、大公は「聞き流してくれ」と頼んだのだった。
…なぜなら、再度問題を起こして西王国を去ることになりたくないと思っていたからだった。
彼は以前ソビエシュに殴りかかったことを後悔していた。
その件が原因で、東大帝国との貿易は白紙に。その結果ナビエとは会うこともなくなってしまった。
なので、同じ過ちは繰り返さないと誓っていた。
ハインリは嫉妬心が湧きながらも”ここは我慢。自分はソビエシュとは違う”と心を落ち着かせていた。
そして最後に大公は、結婚式の招待のお礼を述べたのだった。
時同じくして、ソビエシュ。
彼もまたハインリからの結婚式の招待状を受け取っていた。おまけに手紙には”私たちの友情のために”とまで書かれている。
手紙はナビエの手書きではなかったので、くしゃくしゃにして、投げ捨てた。
東大帝国のルールで手紙は保管するものになっていた。
なので、カルル侯爵はソビエシュを止めようとしたが諦めた。
ソビエシュは落ち着かず椅子に座り背もたれにもたれかかる。
目を閉じるとナビエの「嫌だ」という、拒絶の声が頭に響いた。
ソビエシュはその声を何度も反芻した。
先日ナビエと最後にあった時、ハインリの部屋の前に立つナビエを見てソビエシュは全てを後悔していた。理由はよくわからなかったが恐怖感すら覚えていた。
なので、思わず「戻って来てくれ―――」と声をかけてしまった。
それに対するナビエの答えは「嫌です」だった。
返事を聞いた後は悲しさよりも怒りが勝っていた。ただ、時間が経つとそのことがとても空しく感じられたのだった。
ふいに「陛下?」と、カルル侯爵が声をかけてくる。
それに対してソビエシュは、”ナビエが自分を刺激したいらしい。ハインリとの仲をわざわざ見せつけようとしている。結婚式の参加は保留だ”と伝えた。
カルル侯爵は別の話を始めた。
「ラスタが”結婚式の時に2000万寄付する”と言ったがそれは本当なのか?」と尋ねる。
ソビエシュは、本当である。それはラント男爵に確認したが皇室手形だ、多分ナビエが残したお金だろう…と回答した。
その話にカルル侯爵は目を丸くする。
”それがナビエのお金であるならば、回収すべきだ”とも言った。
しかしソビエシュは今は自分が申告しない限り問題になることは無いから放っておけ、と指示。
カルル侯爵は思わずソビエシュのことが心配になった。あとで後悔するような事態にならないだろうか…と。
一方のラスタは、人生で最高の幸せを味わっていた。
優雅な宮での生活、近衛隊が常にいる部屋。
このような場所で子供を産んで、一生楽に過ごせるなんて信じられない!と思っていた。
彼女の子供はいずれ帝位につく。そうすれば自分は皇母になる。
暗いどん底の生活から頂点に登ったような気持ちで、ラスタは笑顔を浮かべた。
自分はこの世の勝者だと思った。
平民のための皇后?そのような気持ちはさらさらなかった。平民が自分のために何かしてくれたことはあっただろうか。
奴隷だった自分はいつも搾取される側だった。
皇后として全てを手に入れた。
ふと先日の行進での市民の声を思い出す。その時の自分への歓声はすごかった。
2000万を後援金として寄付した噂が広まればさらにその名声は高まるだろうと思った。
しかし、侍女のヴェルディ子爵夫人が浮かない顔をしている。
”自分(ラスタ)がこの部屋にいるのが気に入らないのか?”と聞くと、”そうではない”と答える。
それでもラスタが理由を何度も聞くと、彼女は答えた。
”ナビエの結婚式の時はたくさんあったプレゼントが、今回は殆ど無い”という。
その言葉に憤慨するラスタ。ナビエの結婚式に行って、自分も同じことをしてやる!と怒り狂う。
しかしよく見ると1つだけとても小さな贈り物があった。
この送り主に友情を捧げようと思い、包装紙を開くと、大きな宝石のついたリングが。
そこの内側にはエルギ公爵の名前が刻まれていた。
111話 カフメン大公は王妃を嫌う
ナビエはカフメン大公に出くわしたことに衝撃を受けていたが、出直すほどではなかった。
本来の目的である、クリスタ似合う。
クリスタは自分の訪れを知らなかったので驚いたようだった。
ナビエは「先日送ったアカシアの花はいかがですか?」と聞き、クリスタはとても気に入りました、と返す。
ナビエは、「また花が咲きそうでしょうか?」と聞き返す。

――アカシアの花言葉は『友情』。
クリスタは社交界に精通している人であり、ナビエの質問の意図もよくわかっていたのでこう返す。
「花が咲くかどうかは、今後の整備に関わっているでしょう。しかし、枯れはしないでしょうね」と。
この返答にナビエは婉曲的な表現をやめる決意をする。クリスタに直接質問をすることにした。
「あなたとの心理戦で消耗したくありません。それはお互いのためになりません」
クリスタはその言葉に手を止める。そしてゆっくりティーカップのスプーンを買い混ぜながら、口を開いて
「私自身もそれを理解しており、ナビエとは戦いたくない。でも今の状況でありたい。」と言った。
ナビエは少し考え、分かったと言ってその場から去った。
ローズは帰り道でナビエにどうだったかと聞いてきた。
ナビエは”良い結果は得られなかった”と回答した。
現状維持が良いというクリスタの言葉。彼女は自分に敵対心は出さないけれど、今後トラブルになる可能性もある。
このままだとナビエが社交界で孤立した現状は変わらない。
ナビエは暫く考えた後、”こっそりとマレニーに蝶の形の花の贈り物”をするよう、ローズに伝えた。
その花は、コリダリスとゲラディア。花言葉は、秘密と協力、だった。
ナビエが別宮を歩いていると再びカフメン大公に会った。
なぜここに居るのだろうかと不思議に思うと、彼はナビエに視線を向けたので目が合った。これで二度目のことだった。
さっきはクリスタのところへ向かう途中だったので道を変更できたが、今は帰り道。
侍女たちも不振に思うであろうと思い、そのまま大公に向かい、挨拶をした。
…しかし大公は唇を震わせて声が出なかった。彼はとても疲れた顔をしていた。
ナビエは薬が切れていないのだと思ったが、侍女たちは大公がナビエを無視したのだと思い、驚き呆れていた。
そしてナビエが彼はルイフトのカフメン大公であると言うと、ローズもマスタースも彼は魔法アカデミーの首席卒業生だとすぐに認識した。
ナビエは二人に、彼は人見知りなんだとごまかしたが、この状態でルイフトとの貿易がうまく行くのか‥と心配にもなっていた。
この状況を脇から見ていた、クリスタの侍女。
カフメン大公がナビエを無視したと思い、喜んでクリスタに報告。これでクリスタに優位な展開ができるかもしれない、と提案した。
一方のラスタ。
彼女は首都に住む全ての貴族へティーパーティーの招待状を送っていた。
当日の招待に困った貴族たちだったが、皆ラスタの庭に集まった。
そこには驚くほど派手で豪華なお菓子が並べられていた。皆、なんて可愛い御菓子!と喜んだ。
ティーパーティーでラスタは、いつもより声のトーンを下げ、ナビエのように話をした。
服もナビエが来ていた赤いドレスに酷似していた。
ラスタは貴族たちに言う。
「今日は皆さんのために準備をしました。これからは新しい時代だ、皆と良い関係を築きたい」と。
色々と驚き、引き気味の貴族たちだったが、東大帝国にナビエはもう戻ってこない。
未来の皇帝の母になるラスタのご機嫌を取って、何とかうまくやっていこう、と思うのだった。
一方のラスタ…貴族たちの様子を見て、
「ここでの振る舞いは成功した。自分が主催者で、皇帝の母であることを誇示できた」と目論見が成功したことを喜んだ。
貴族たちは健康な赤ちゃんが生まれますように、と言い、”名前はどうされるんですか?”と聞いてきた。
ラスタは、”陛下が名付けてくれることでしょう”と返したのだった。
――ラスタは赤ちゃんの話をしていて、ふと以前自分が産んだアンのことを思い出した。
産んだ直後に死んだと聞かされたアン。ロテシュ子爵が連れてきた死んだ赤ちゃんも実際に見た。
一体は彼はどこから赤ちゃんを連れて来たんだと思い、君が悪くなった。
考え込んでいたラスタに、ヴェルディ子爵夫人が「陛下?」と声をかける。その声でハッとした。
ラスタは”今は幸せで、全ては過去のことだ”と思い直した。そして、彼女のお腹の子も世界中から祝福されて生まれてくるのだ!と思った。
突然、テーブルの隅から笑い声が響いた。
金髪にハンサムなその顔。ラスタは誰かすぐに分かった。声の主はパルアン侯爵だった。
パルアン侯爵は言う。
「記者に対して、平民のための皇后になりたいと言ったあなたが、このようなパーティーを開かれて貴族と過ごすのは滑稽な話だと思って、笑えます。」
怒ったラスタは、自分と仲良くする気が無いのなら出て行けと命じ、パルアン侯爵は退出。
それに続いて、多数の貴族が退出。残ったのは、参加者の約1/3の貴族だった。
ティーパーティーが終わった後、ラスタはエルギ公爵と会っていた。
彼の言うとおりに記者のインタビューに答えた。それでパルアン侯爵に、『貴族と仲良くしたいなんて』と皮肉を言われたことに対して、”エルギ”のせいだ!と憤慨していたのだ。
ラスタは”わざとそのように(誤った事を)自分に言わせたのか?”とエルギに問い詰めるのだった。
アカシアは友情って意味なのね。

111話の最後のラスタの性格が悪すぎてイライラしてもはやそこしか頭に入ってこない!!!
失敗したことは全部人のせい、なんですね。それなら、エルギの言う事聞かなきゃいいじゃない?!助言されても、最終的に決めるの自分でしょ…。怖いな、この女。
と言いながら、私も同じことしていないかなってちょっと気になった。自己啓発にもなりました(笑)
パルアン侯爵の「なんで平民のための皇后になるって言って、貴族とパーティーしとんねん」という発言がとてもナイスです。しかしあのナビエ側についていた彼を呼ぶなんて、図太い神経してるな…。
まじでロテシュ子爵も神経腐ってるよね。
結局アンは生きてたけど、まじでその死体どこから持ってきたの?ホラー…?w
続きの112話・113話はこちらから
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