LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
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187話 ロテシュ子爵の後片付け
ソビエシュの予想外の事が起きた。イスクア子爵夫妻がなぜか裁判でラスタを庇ったと言う。
彼らを連れて来たのはソビエシュではないが、ラスタが奴隷出身だと知っているので勿論生みの親では無いと確信していた。育ての親であれば情が湧くと言うが、夫妻はラスタの育ての親ですらない。
もっと言うとラスタと出会ってからの時間も非常に短い。
イスクア子爵夫妻はエベリーを傷つけたことは間違いなく、処罰は逃れられない状況だった。ソビエシュはこのような状況下で彼らは”ラスタに指示され企てたことだ!”と口にすると思っていた。
しかし彼らは公開裁判で”ラスタとは関係ない”とはっきり述べた。むしろこのような答弁により”ラスタはイスクア子爵夫妻の実子に違いない”という噂まで流れた。みな偽の親であればここまでしてくれないと思っているからだ。
カルル侯爵ですら、「本当にラスタ様はこの件に関連していないかもしれない。良い親過ぎる」と言い出す始末だった。
ーー実際はラスタに大金を頼み込んでいた彼らである。そんなことをする人間は良い親の訳がないのだが。
しかし彼らがラスタの指示と認めなければ、ラスタに罪を着せることはできない。しかしその他の罪で既にラスタは廃位が決定的だった。敢えてこの件もラスタに関連づける必要も無いと考えていた。
しかしこの話はとんでもない方向に飛び火していくのだった。
***
イスクア子爵夫妻は刑務所に入った。そこへある男性が面会に訪れてきた。
それはロテシュ子爵だった。
夫妻はラスタからロテシュ子爵について良くない話を頻繫に聞いていたので、あまりいい印象を持っていなかった。
ロテシュ子爵に対し夫妻は「私たちは濡れ衣でここに来させられた。平民一人の命がどうなるかという理由だけなのに。」と言った。
そのイスクア子爵夫妻の言葉にロテシュ子爵は「こちらは皇室に自分たちの血筋を混ぜ皇位を略奪しようとした罪だ。死罪だろう。」と苦笑いしながら語った。
そして、イスクア子爵夫妻の娘の話を口にする。
「私は罪で死ぬが、子供たちを守るためには仕方ないと思っている。しかしあなた方はどうなのか?養女でもなんでもないラスタのために、実の娘を殺そうとするとは‥」と。
「実の娘とは何の話か?」と夫妻は不思議顔である。
ロテシュ子爵はまだ知らなかったのか、と言い「実の娘は陛下の第二側室の魔法使い、エベリーですよ」と言った。
夫妻はぶるぶる震え、両手で自分の顔を抱えた。信じられない、絶望するような結末だった。
ロテシュ子爵は彼らに自分が調べた孤児院の書類などを見せる。そして、「勿論親子検査をしたわけではないが、状況から考えるにその可能性が高い。」と言葉を添えた。
それでも信じられない夫妻。「なぜ今それを言うのか」と。
ロテシュ子爵は「ラスタが自分の娘を殺そうとした。なので、私が調べたこの事実を隠す必要がなくなった。」と理由を答えた。
夫妻はついには床に伏せて悲鳴を上げた。ロテシュ子爵も驚くような声を上げて泣いていたのだった。
*
ロテシュ子爵その後面会を許可した兵士に賄賂として宝石を渡し、足早にその場を去った。
その様子を陰からソビエシュが見ていた―――…
***
ロテシュ子爵は首都へ行き、持っていた宝石を手形や現金に換えた。
そして誰もいない邸宅へ戻った。すでに使用人を解雇していた。
最後に残ったのは彼が若いころから務めている執事であった。その執事に監禁した手形と金を渡し、自身の妻とルベティに渡すように命じた。
合わせて、”君だけは信じている”と自分に使うように…と告げ、執事にもたくさんのお金を渡した。
泣きながら受け取る執事。ロテシュ子爵も貰い涙をし、周囲を見渡す。
神殿に行く前から刑務所に入れられていたアレンだったが、ロテシュ子爵がソビエシュと取引をした後暫く解放されたいた。ところが再び姿が見えなくなっていた。
執事は騎士が訪れ、彼を再度捕らえたと言う。
*
ロテシュ子爵はこれまでのことを回想する。まだアレンが幼くルベティが生まれていない頃。領地の後継者が愚かであってはならないと彼はアレンを鍛え、妻とよく言い争いをしていた。
時が経ち、妻も体が弱くなったが幼いルベティを抱えては、よく椅子で歌を歌っていた。
さらに時間が過ぎ、妻は寝たきりになった。彼女はいつも力なく息をしていたが。ロテシュ子爵がその手を握るといつも力いっぱい握り返してくれていた。妻のことを懐かしく思い返して寂しく思いすすり泣いた。
ふと孫のアンの事が頭をよぎったが、その子は死のうがどうしようが関係ないと思い、忘れることにしたのだった。
*****
西大帝国の夕暮れ時。
ナビエとハインリは柔らかな椅子に座り沈む夕日を見ていた。
神妙な面持ちで夕日を眺めるナビエに、ハインリは「まだ戦争一代記のことを根に持っているのですか?」と声をかけた。
そうではないと言うナビエ。色々東大帝国のニュースを聞いて、気もそぞろだと言う。
ソビエシュの愛の終わりを見たようで、その終焉を寂しく感じたのだった。
記事が事実であれば、ラスタは愛情でもゆすることが出来ないほどの過ちを犯している。しかし一時はラスタのために、コーシャル卿に濡れ衣を着せていた。そしてナビエの言葉は聞かず、常にラスタの言葉に耳を傾けていた。
ソビエシュはこんな結末のために、自分を捨てたのかと思い、悲しく思った。
―――ナビエは考えを止めた。今自分とハインリの愛は始まったばかりである。今度はうまくいくと信じて。
ナビエはハインリにキスをした。彼はびっくりしてうめき声を上げた。
ハインリは「うめき声も胎教にいいかもしれないですね!」と言うので、「今赤ちゃんは寝ていますよ」と返したのだった。
*
続く。
なんでそんなことをするのかと思いましたが、ラスタのことを信じている二人。
金の無心ばかりするとんでもない親だと思いましたが、ラスタのような人間も信じてしまうところを考えると、根は純粋な人なのかもしれませんね?
とはいえ、やっていいことと悪い事はありますけどね!?
よかった。たまにはロテシュがいい働きをしますね。二人が処刑される前に実の娘であることを知ることができました。
しかしこれで、ラスタへの信頼は失墜しますよね?!隠してたわけだから。
彼らが必死に探していた娘がこんなに傍にいるとは、切ないですね。
でも殺そうとした人が親なんて…。娘のエベリーはどう思うだろう。エベリーには知らせないほうが幸せな展開になるかもしれませんね。
ロテシュ子爵の妻や娘ルベティを思うシーンはジーンと来るものがありました。
やっぱりロテシュ子爵も人の子じゃん?!
と思っていると、孫のアンのことはどうでもいいと思っているようなそぶり。
やっぱり、とんでもない奴だな!ラスタとの子とは言え、血を分けた孫だぞ?!
そんなんだから処刑される道になったんじゃないか…。
もうナビエが可哀そうすぎるから、とにかくハインリとは幸せになって欲しい。ほんとこんな奴ら(ソビエシュとラスタ)にこころ動かされる時間が無駄すぎますね…
切ないけど。
*
この続きの188話はこちらから
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