LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
201話 ソビエシュの絶望(2)
その日は雨天だった。傘をさしていても肩が濡れるほどの大雨だったので、外にいる人はまばらだった。
そんな中で道に大きな馬車が止まっていたが、人がいなかったので不審がられることもなかった。
馬車の中にはヴェルディ子爵夫人とグローリーエム、エルギ公爵の3人がいた。グローリーエムはヴェルディ子爵夫人の腕の中で眠っていた。
エルギ公爵がグローリーエムを助ける手助けをすると提案をしてきた。しかしヴェルディ子爵夫人は彼をあまり信用していなかった。助ける理由が分からなかった。
エルギ公爵は断っても良いと言う。ラスタ対する世論は厳しく、ヴェルディ子爵夫人に他に頼る人もいない。悩んだ挙句、彼を頼ることにした。
*
エルギ公爵はグローリーエムの顔を覗くなり、「ラスタ様に似ていて不安だな」と呟く。これはヴェルディ子爵夫人も同様に一番の心配事だった。
ソビエシュ皇帝に何か言われる前に急いで出て行こうと言うエルギ公爵だった。
***
一方のソビエシュは仕事に追われ、ため息をついていた。ソビエシュが多忙なこともあり、新しい皇后を迎えたらという声も高まっていたが、彼は暫く結婚はしたくないと思っていた。
ラスタが裁判で最後に放ったソビエシュの不妊に関する話は、世間ではラスタの最後の戯言だという受け止めがされていた。しかし彼が3回目の結婚をすれば話は分かる。
新しい皇后との間に子供ができるか、注目の的となるだろう。ソビエシュは考えれば考えるほど頭痛が酷くなったので、宮医を呼んだ。
宮医はソビエシュに安静をすすめ、薬を処方。ソビエシュはその薬を口に流し込んで執務室を後にした。しかし、宮殿のどこを歩いても様々なことが思い浮かび耐えがたい気持ちになるのだった。
ナビエの再婚話を目の前で聞くことも堪えがたいことであったが、生まれて来る子供のことを考え、耐えることができた。しかしその子供でさえ結局離れることになり、彼は心の寄りどころを完全に失っていた。嵐の中を一人きりでいるような気持ちだった。
もう会うことのない子供のことは忘れようと首を振り、回廊を歩く。しかし複雑な気持ちが治められなかったで再び、執務室に戻ることにした。
すると、執務室の前にはカルル侯爵が複雑な表情で立っている。傍らには初めて見る真っ黒い出で立ちの男がいた。
ソビエシュはどうしたかと聞くと、初見の男は西大帝国の使者だと言う。名はクロウと言うらしい。
そして彼はすぐに西大帝国でナビエに降りかかった災難について伝えた。これにはカルル侯爵もソビエシュも驚愕した。
ナビエの容態を酷く心配するソビエシュ。クロウはナビエは昏睡状態だと告げた。するとソビエシュはすぐに「治癒魔法が使える魔法使い(エベリーのこと)を派遣する」と申し出たのだった。(クロウが聞くまでも無かった)
ソビエシュはカルル侯爵にエベリーを派遣する準備を進めるように告げた。
***
悪いニュースはまだ終わらない。
数日後、塔に閉じ込められているラスタの様子を看守が報告してきた。看守は「ラスタは数日食料も食べないうえに、とても静か。不思議に思い中を覗くと血に濡れた銀髪が見えた。しかも悪臭がした。」と伝えた。
塔の中に入るには皇帝の許可が必要なのでまずは状況を伝えたのだった。
ソビエシュは自分が行くと告げた。
塔に登りながらもソビエシュは混乱していた。彼から見てラスタは生への執着が強い人間だった。一人きりでそこにいればいつかは狂うだろうが、それでも数年は生きるだろうと思っていた。
しかし塔に入るとそこには既に腐敗した死体があった。美しかった銀髪にも吐いた血が付着していた。
ソビエシュに「なぜ私に愛していると言ってくれないのですか」というラスタの声が聞こえたような気がした。
…彼は死体に背を向けて塔を下る。東大帝国の歴史上最悪の皇后と記録された彼女は、もともとそんな人だったのだろうか。それとも平凡だった彼女を、宮殿が、権力が、貴族たちがーーそして自分がーー変えてしまったのだろうか。その答えは誰にも分からないが…。
ソビエシュはカ―ル侯爵に遺骨を草原に散骨するようにと命じたのだった。
***
ソビエシュの頭は非常に混乱していた。生涯を共にすると思っていた妻が去り、望んでいた娘は自分の娘ではなかった。その娘とは離れ、言い争いをしていた相手の元妻は自殺した。
ソビエシュの夢は、妻と子供と平和に幸せに暮らすことだった。彼の父が無しえなかったことだったが、自分はそのような家庭を作りたかった。それは、こんなにも難しい事なのだろうか?”多くの平民たちでさえかなっていることが、皇帝である自分には難しいのだろうか…”なんとも、皮肉な話だと思った。
対照的にナビエはその幸福を手に入れようとしていると思ったナビエでさえも、襲撃を受け昏睡状態だという。
様々なことを考えるうちに心臓が痛くなり、この状況が耐えがたく両手で顔を覆った。せめて、ナビエが無事であればと思うのだった。
***
そんなソビエシュの元へエルギ公爵が訪ねて来た。去る前に挨拶をしたいそうだ。
ソビエシュは勿論彼とは会いたくなかったが、会うことにした。なぜ彼がこんなことをしたのかが全く理解できなかったので、少しでも理由を知りたいと思ったのだった。
エルギ公爵は「ありがとうございました。次は法廷でお会いしましょう」と告げる。
※エルギ公爵へラスタが港を渡すと約束した件について、ソビエシュは法廷闘争をする予定だからです
ソビエシュは冷静に「ラスタが死んだのはあなたの差し金か」と聞く。
無表情なエルギ公爵。
ソビエシュは続ける。「ラスタがおかしくなったのはあなたのせいでもあるだろうに。一体何の恨みがあるのか…」
エルギ公爵は笑うとも泣くとも言えない表情でこう答えた。
「あなたこそ、どんな恨みがあったのですか…」と。
*
続く。
久しぶりに更新しました。
ソビエシュはクロウが言う前にエベリーを派遣すると言ったそうで…(苦笑)予想通りですね。
そしてラスタの遺体も無事(?)発見されました。個人的には、ラスタがおかしくなった一因は間違いなくソビエシュにあると思う。
ただ、ゆーても一因ですね。ラスタの被害妄想と虚言癖がすごかったことが彼女が史上最悪な皇后になった大きな要因でしょうな。
ちょっと前回と整合性が取れていないかもしれません…。
自分でも気になるのは、エルギ公爵ってまだ首都にいたんだっけ?ってところ(ごめんなさい!最後まで翻訳終わったら修正します(平謝り))
それと、最後のエルギ公爵の発言はかなり考えたのですが、このような意図だと思います。ソビエシュの返事になってないじゃん!?って思ったのですが、色々考えた結果わざとなのかな~と。英語だと「What kind of resentment did you have for doing such a thing?」だったので。
もっと良い訳があったら教えて欲しい…です!!
エルギ公爵とソビエシュの間に昔何かあったのかな・・・?
さて、またコンスタントに更新していきます!
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この続きの202話はこちらから
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