LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
210話 お風呂
ハインリは目をパチパチとさせ、「簡単ですか?」と何度も聞いてきた。
ナビエはそうです、と答え、ハインリにその方法を伝えた。「水龍が何度もダムを壊さないでくださいとお願いすれば良いのです」
水龍は頭が良い。ハインリは既に何度もお願いをして、祭壇まで作ったと言う。そして水龍が好むと言う宝石もかなり捧げたそうだ。しかし結局、水龍は人の姿に化けて宝石だけ取っていったと答えた。
ナビエは水龍が怒ったのだろう、ダムを作ること自体が嫌なのだと考えた。であれば、ダムを気に入らせれば良い。
ハインリにそのことを伝えると、「どういう方法でするのか?そんな方法があったらこんなにもこれまで時間を使って考えることは無かったのに…。」と言い、怪訝な表情をした。
しかし、ナビエにとっては簡単な話だった。
「次回ダムを作る際、ダム全体に宝石を付ければ良いのです。」
ハインリは「はい?」と思わず何度も繰り返し質問をした。論理的には正しいが、考えもしない方法だったからだ。
ナビエが言うには「水龍は宝石が好きなのでしょう。であれば宝石の入ったダムも好きでしょう。水龍が気に入るようなダムを作れば壊されないでしょう。」
それはお金がかかりすぎるのでは…と考えるハインリだったが、何十年もダムを毎年建てるよりははるかに安く済む話だった。龍の寿命は少なくとも数千年と言うし。
***
この話はハインリから宰相とマッケナ、財務部長に伝えられた。話を聞いた彼らは、最初のハインリと同じような反応をした。
「流石、東大帝国の皇后だった方だ。考え方のスケールが違う…。」「ダム全体を宝石にするなんて…」みな口々に驚いた。
しかし龍が宝石を好きなことは周知の事実だった。ナビエの考えに最初は驚きつつも、理解を示した。(少し、東大帝国はお金があるから考えることが違うな~と嫌味も言いつつ)
加えて都合が良いことに、ダムの近くには宝石採掘量の多い鉱山があった。結局、ハインリも皆も、ダムにたくさんの宝石を入れて多額のお金がかかっても、町を守れるなら良いと思った。
ハインリはこの話を進めるように指示をしたのだった。
***
ナビエはハインリが指示を出した後も悩んでいた。
洪水は目の前の問題だ。しかし宝石を埋めた大きなダムを作るには今年度中にはできないだろう。来年でも終わらないかもしれない。
ダムができるまでの洪水をどう対応しようか…。小雨が降る中考えながら歩いていると、後ろから傘を持ったハインリが現れた。
ナビエは彼に”何を悩んでいるのか?”と聞かれたので、「短時間でダムを作る方法が無いか考えていました」と伝えた。
ハインリはそれに対して笑って、「それはできません。」と伝えた。
ナビエも結局は了承した。短時間で作ってダムが壊れたら元も子もないからだ。ハインリに話をしたことで気持ちが少し軽くなったのだった。
2人で並んで歩いていると、ハインリが突然「実は東大帝国に少し劣等感があります。」と苦笑いしながら言った。
ナビエはハインリの顔を覗き込み、手を握る。
するとハインリは「自分の次の代ではそのような気持ちを感じないようにしたい。」「クイーンの言うことに、自由な思考を感じた」と続けた。
ナビエはふと彼が東大帝国と戦争の準備をしていたことを思い出した。そしてその戦争は自分のために諦めたことも。
ハインリはもしかしてそのことを考えているのだろうか。
突然、申し訳ない気持ちになり握っていた彼の手をさらに強く握った。
正直に言うと、ナビエには彼がどの程度劣等感を抱いているのか分からなかった。とはいえ、何気ない自分の発言でギャップを感じると言うのであれば、相当の劣等感があるのだろうと考えた。
ナビエは突然自信がなくなった。ハインリは今自分をとても愛しているが、いつか公開する時が来るのではないかと思った。自分のためにこれまで準備してきた戦争を諦めたことも。
平和な時はこのようなことを考える必要が無いと思いながらも、その不安な気持ちが消えなかった。
*
あたりは風が強く吹き、雨が横殴りに振ってきた。雨が傘の中に降り込んできて、ナビエの前髪が濡れた。
ハインリはナビエを抱き寄せ雨が当たらないようにと配慮した。
ナビエはハインリの胸のぬくもりを感じながら彼を見上げる。…ハインリは雨に濡れてまつ毛が濡れていた。…少し泣いているようにも見えた。
***
ナビエが部屋に戻ると、湯舟が用意されていた。バスルームに向かった時、自分の部屋に入ったはずのハインリがナビエの方に来たので、彼と目があった。(二人の部屋は繋がっています)
結局、ナビエの提案で二人で風呂に入ることになった。(ハインリは予想外だったようで驚いていた。)
瞬きをするハインリ。まだ雨のしずくで濡れているまつ毛が、とてもつやっぽく見えた。
*
浴室の前で服を脱いでいるナビエ。一緒にいた侍女のローラは「びっくりしました。皇后陛下は皇帝陛下の前では砂糖のように甘い言葉もかけるのですね」と告げた。
先にお風呂に入ったナビエ。
後ろでハインリが何度も「本当にいいのですか?」と聞くので、「悩んでいます。」と伝えた。
すると「ナビエ、私は決して後悔しません。だからそんな顔をしないでください。」とハインリは言う。気づいたら彼はナビエの隣にいて、湯舟に入ってきた。
湯舟でナビエを後ろから抱えるハインリ。ハインリの胸は暖かく心地が良いと思うナビエだった。
***
しかしハインリは風呂に一緒に入ったことを後悔していた。精神的に耐えるのが大変で拷問だったそうだ。
お風呂から上がって2人でベッドに横になった。彼の目を見ながら何気ない会話をして、笑いあい、段々目がつぶれてきた。
その時だった。
マッケナが突然訪ねてハインリを呼んだ。
2人の会話は何事かと思い、ナビエも体を起こしてベッドで待った。
***
戻ってきたハインリは暗い顔をしている。どうしたのかと思い聞くと…。
ハインリは「ソビエシュ皇帝が療養の期間をここで過ごしたいそうです」と言ったのだった。
*
続く。
今回は平和な回でした。
後悔しません…というハインリの回答は、ナビエの”自分と結婚したことを後悔する日が来るのではないか”という心配を理解した上での答えですね。
表情だけで色々察してくれるハインリ。なんて良い夫なんでしょうか…笑。
宝石でダムを埋め尽くすってどんな感じなんでしょうか?!うん兆円かかりそうだけど、何千年も毎年作るなら絶対そっちの方が安そうですね。
しかし水龍とか魔法とか出てくるとこの物語がさらにファンタジー感が増した気がして、なんだか笑ってしまう私です。笑
*
この続きの211話はこちらから
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