LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
213話 狂ってから…
なぜそんなに別人のようなのか…。ナビエは平静で会おうと思っていたのに表情をこわばらせ、慌ててしまった。
しかしソビエシュの表情は変わらなかった。
ナビエは硬い声で「ソビエシュ陛下」と呼びかけると、彼は何かを悟ったように突然「あ…。本当に本当に綺麗に成長したんだな…。伸びた背も自信に満ちた目も、みな素敵だ。」と言い目尻を下げた。
ナビエには彼が何の話をしているのか分からなかった。確かにナビエをじっと見て自分に向けての言葉をかけているようだが何の事だか分からなかった。
狂ったのだろうか、とふと思った。時間が経っているにせよ、『成長した』とい言葉をかけるであろうか。冗談であろうか…そんなはずはないが。
ハインリも彼がナインをしたいのか分からず、口を開けたまま見つめていた。
この部屋でソビエシュの真意を理解している人はいないようだった。彼をみんな似たような目で見つめていた。
とにかく、彼に序盤から振り回されるのはよくない。ナビエは「座って下さい」と冷たく伝えると、彼は素早く座り、ナビエの方を向いて笑った。
ーー最後に彼に会った時は壮絶な状況だったが…彼は今日までの間に何か悟りを開いたのだろうか。一度きりの人生を楽しく生きようと思ったのだろうか。
ナビエはハインリの隣に座り、表情を変えないことに徹した。それでもソビエシュは笑顔を変えなかった。
*
会議が再開され、再び奇妙な雰囲気に包まれた。
魔法使いを貸す件についての議論が再開された。ソビエシュは東大帝国として魔法使いは貸すが、彼らへの個々の報酬は払うようにと主張。これに対してハインリは個別の報酬額が高すぎると言い、対立していた。
ソビエシュは西大帝国はそんなお金が無いから大変なのか言うと、ハインリは東大帝国の方が元皇后のせいで資金不足なのではないかと返す。
するとソビエシュは「そんな事情まで理解してくれてありがとう。それならばもう少し報酬額を上げてもよいだろう、私たちの事情を理解してくれているのなら」と答えた。
これにハインリは無言。
ナビエは見ていてやはりソビエシュの様子がおかしいように思えた。どこかが大きくおかしいというわけではないが、普段のソビエシュの議論のスタイルと少し違って見えたのだ。
ソビエシュは議論の際は相手を冷静に追い詰めるタイプだった。今のような相手の発言に火を注ぐような言い方は皇太子時代にはよくしていた。まさにその当時の彼を見ているようだった。
ナビエは彼を見つめてなぜこんな言い回しをしているのか、と彼の分析をしていた。と瞬間、彼がナビエを見つめて二人の目が合った。
そして彼はナビエを見つめたままこう返した。「・・・しかし、我々二つの国の間であまり堅い議論をする必要はありません。」
それは、誰が聞いてもナビエを意識して方針転換をしたという発言だった。
***
会議が終わるとナビエはわざとハインリに近寄り優しく「大丈夫ですか?」と声をかけた。仲が良いふりをするというのは幼稚な方法だったが、ソビエシュの前でやることに意味があると思った。
ナビエはハインリの方を抱きながら普段よりも優しい声で「部屋に来て一緒に絵について話をしましょう」と伝えた。
しかしハインリはなぜか急いでやる事を思い出しました…と言う始末だったが、ひとまず会議室を出て二人の部屋に向かうことにした。
席を立ち、ハインリの手を掴み出ていこうとした瞬間だった。
「ナビエ皇后様」ソビエシュがナビエを見つめて呼びかけた。
ナビエは振り向かず「ソビエシュ陛下」と伝えると、ソビエシュは平然と言い始めた。
「西大帝国の皇后に伝えたいことがあります。少しお時間を頂けないでしょうか。」彼は頭の回転が良い。公式な場で依頼をするとナビエが拒否するのは難しい。
ナビエが考えていると、ハインリが「ここで言ってください」と割って入った。
彼は西大帝国の皇帝には伝えられないと言う。
ハインリは「自分の聞けない話をするのを妻にするなんておかしな話だ」と返す。2人の空気は冷え込み一触即発の状況だった。
そこでソビエシュは「皇后同士でしたい話です。私には妻がいないので、それを私が兼務しているので」と言う。
ナビエは面白い話だと思い「分かりました。」と素直に答えた。この答えにはハインリも目を丸くした。
そしてハインリに伝える。「私は体の調子が悪いので、皇后の役割は暫く私の夫に委任します。ハインリ、あなたはこれから3時間皇后です。」
すると先程までのソビエシュとハインリの反応が逆転した。ハインリは「良い皇后になります、クイーン!」などと言い、意気揚々としてソビエシュと出ていった。
*****
ソビエシュとハインリは結局15分ほどだけ話をして、別れた。カルル侯爵は笑いを堪えられない様子で、どんな話をしたのかと質問をしてきた。
ソビエシュは彼は噂通りの人間で、性格が悪いと伝えた。
カルル侯爵は、今のハインリの精神年齢とソビエシュの現状の精神年齢は同じくらいだと言い、出て行った。
*
そしてソビエシュは今年の事を知ろうと記録を取り出した。とにかく”ラスタ”という人物が来た後にしたことを調べた。ソビエシュは自分とナビエの間の愛情を信じていたので、許しを請いたいと考えていたのだった。なので、何が起こったのかをまず知らなくてはならない。
*****
翌日。天気が良い日だった。侍女たちとナビエはゆったりと部屋で過ごしていた。
ローラはジュベール伯爵夫人にソビエシュ皇帝が連れてきた侍女たちが傲慢で仕事もできないから、すでに問題を起こしていると伝える。
ジュベール伯爵夫人も疑問に思いながらも元々の出身国なので、返事をしなかった。
*
そこに突然ソビエシュが訪ねてきた。ナビエは戸惑った。まさか直接ここに来るとは思っていなかった。
避けることが出来ず、入るように指示。昨日とは違った軽装で彼は訪ねて来た。
「なぜここに来たの?療養をしに来たのでしょう」とナビエが伝えると、「あなた見ると心が落ち着く」と答えるソビエシュ。そしてこのことを話しても構わないと言う。
ナビエは「本当に狂ったのか」と聞き彼を見つめると、ソビエシュは笑って言う。
「私は本当に狂ったよ、ナビエ」と。
*
続く。
皇后をハインリに渡すの笑いました(笑)なるほど~!!
ハインリは良い皇后になれそうにないと思う私ですが…そんなことはともかく。
ソビエシュ、自分が狂っていることを認めましたね。さあ、ナビエはどんな反応をするんでしょうか。
*
この続きの214話はこちらから
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