LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
220話 私も君が嫌い
ハインリは「魔力減少の問題です」と切り出した。
巣の話と似たような内容だと思っていたので、全く違った話だったのでナビエは驚いたのだった。思ったより重い話だ。
ハインリはこれまで自分が魔力減少のことを主導してきたと判明してからそのことへの言及を極力避けていた。ナビエ自身も聞かなかった。
彼が自分からこの話を切り出したのは初めてなので、ナビエは緊張しながら内容を聞く。
するとハインリは「魔力減少現象自体は自分が作り出したものではなく、その速度を速めただけだ」と告げた。
そして彼はその方法についても告げた。
魔力減少現象を引き起こすには魔力石が必要。なので戦争を諦めるために自分たち一族と極秘騎士団の力を借りて魔力石を回収したそうだ。
しかし全部回収したわけではない。元々隠されているそれらを見つけて全部回収することはできないそうだ。
そしてソビエシュがエベリーのネックレスの事件以後、魔力石とその現象の関係性に気づいている様子なので、自国の魔法使いと魔法学校の魔法使いたちにその使用を禁止させたそうだ。
ナビエはそれは大丈夫なのかと聞いたが、あまり心配する必要は無いと言う。
ハインリは事態の収拾のためにまだ回収できていない魔力石を回収しに尽力すると言う。そのため数日間外出するそうだ。
その話を聞いてハインリを心配するナビエ。ハインリは不安がらないで欲しいと伝えた。
*
ナビエが執務室に戻って机に座ると、ハインリが席を外している間、彼の業務をできないかと思った。
皇后として東大帝国の時からずっとやってきた業務である。西大帝国に来た後もそれほど問題なく適応してきた皇后の業務。
ソビエシュも視察問題で席を空けたことがあり、その間普段よりも少し業務量が増えた。しかし、長期間不在にしたことは無い。しかも、ソビエシュは事前に処理できる仕事を処理していた。
だが今回は話が違ので、どのように処理するのか推測しにくかった。回収できていない魔力石がどのくらいあるのかは分からないが、簡単ではないだろう。
*
「皇后陛下」
考え事をしていると門の外で副官が自分を呼ぶ声が出た。
彼を迎え入れると、面倒ごとがあるという顔で、金箔をかけたきれいな箱を持って入ってきた。
「ソビエシュ皇帝は皇后陛下にこれを渡すように言いました。」だそうだ。
ソビエシュが私にこれを送ろうとした?驚いたことを隠すために無表情を貫いていると、副官は躊躇しながら机の上に箱を置いた。
副官が出るやいなや、眩くキラキラと光る包装紙を開けた。すると中から濃い茶色の木箱が出て来た。
ふたを開けると、中には大きくてふっくらした桃が3つ、布に包まれていた。そこには赤い文房具も入っていた。
ナビエは箱の蓋を閉め、頭を抱えた。狂ったという言葉は聞いたが、それ以上の状況だ。
後悔するふりをして、翌日には桃を送ってくるなんて…どんないたずらだろう。ナビエは怒りに震えた。
***
ソビエシュはナビエから箱が返却されていた。ナビエの副官が持ってきたのだった。色々な事情から受け取れないという儀式的な謝罪とともに。
言っても隣国の皇帝という対面はあるので、これだけ早く帰ってくると思わなかったのでショックだった。
幼いころからナビエとの諍いは度々あったが、ここまで大きな問題が起こったことはなかった。なので、どのように彼女の怒りを鎮めればいいのか分からなかった。
触れてもいない桃を見て寂しく思う。よく見るとその横にしわくちゃのメモが入っていた。
”あれから何時間もたっていないのに、よくこんなことができるわね。本当に恥ずかしい人。”
「何時間…?」
昼のソビエシュには何の話だか分からなかった。彼は夜のソビエシュがナビエと会った事を全く知らなかった。
起きた時に確かに夜のソビエシュからメモはあったが、そこにはナビエと会ったことは書かれていなかった。
何をしたからナビエがこんなに冷たくなったのか。そもそも何が原因で離婚したのかも
彼は考えても何もかもよく分からなかった。
*****
エルギはその頃海賊たちと船の上にいた。
一人、デッキに佇んで潮風に当たっている。海賊たちもこんな時は彼に話しかけなかった。
そこへ鳥が鳴きながら近づいてくる。エルギは足に括りつけられたメモを受け取った。メモにはハインリの筆跡でこう書かれていた。
忙しいか?ブルー・ボヘアンにある残った魔力石の回収をしてくれないか。
こう書かれていた。しかし彼は返事を書くことなく、手紙をそのまま鳥の足に返した。
東大帝国の人間が疑っている中でなぜ今回収しろと言うのだろうと疑問に思った。
ブルー・ボヘアンへ行けば彼女にも会うだろう…そして静かな声で「人を傷つけてはいけませんよ」と言うのだ。父は隣でコーヒーを飲みながら耐えれずに出ていくだろう…。
そしてその後は…。
*****
ナビエは桃を送ってきたソビエシュの行動に心底怒っていた。記憶とともに自尊心も失ったのかと悩んでいた。
自分が知っているソビエシュはそんな人間ではなかった。皇太子時代であってもそうであった。なので、謝罪は本心ではなく”ふり”だと考えていた。
なのに、なぜ謝罪とともに桃を送ってきたのか。理解ができなかった。
ナビエの様子を見てローズが心配してくる。
ソビエシュへの怒りとハインリへの心配、彼のいない間の仕事の処理、魔力石を回収する前に魔力減少のことがバレたりしないか…加えてナビエの魔法の訓練も全く進展していない。悩みは尽きなかった。
*
その時門番の騎士から、カフメン大公が知らせがあるとやってきたと告げて来た。
許可をして応接間に彼を通す。数日前のカフェでの色々な出来事がよぎり、ぎこちない笑顔を向けてしまうナビエだった。
先に出たことを詫びると彼は理解を示した。
そこへマスタースが茶菓子とお茶を出して、部屋を出ていった。
二人きりになると不思議なことにカフェで饒舌だった彼はどこへ行ったのか。カフメン大公はさっきが不思議になるくらいの緊張の面持ちをしていた。
ナビエはカフメン大公に友人について聞く。心を読めるから何でも分かるのではないかと言うと、例外的に彼の心は読めないのだと言う。
そしてカフメン大公は彼から預かったと言う絵をナビエに渡した。
そこには3歳ぐらいの子供が書いたような下手な絵が。彼がナビエに渡すように言ったと言う。
なぜこれをナビエに渡したかはカフメン大公も知らないそうだが、「このままにやれば助けてやる」と言っていたそうだ。
ナビエは魔法を習うのを助けてやるという意味かと聞くと、そういう意味合いだったと答える大公。心を読めないから曖昧になっているようだ。
ただ、ナビエはいくら絵を見ても…それがどういう意味なのか分からなかった。
***
ナビエはカフメン大公と別れた後で侍女たちにも意見を求めた。
しかし、彼女たちも絵の持つ意味は分からないと言う。
絵を見ているとナビエは自分が絵を描いてハインリに渡した時のことを思い出した。彼ももしかしたら途方に暮れたかもしれないと思い、申し訳ない気持ちになったのだった。
ふとナビエは、自分が絵を描いた理由を思い出した。
彼女は普段とは違う癒しをハインリに与えたくて絵を描いた。
彼が絵を送ってきたのは絵を描くことに意味があったのではないかと考えた。
*
そこへランドレ子爵が現れた。侍女たちは、彼にも絵のことを尋ねたので、彼は絵について侍女たちと話す。
そして、ランドレ子爵はルベティが見つかったことをナビエに報告。
その声にピタッと皆の声が止んだのだった。
*
続く。
魔力減少の方法がやっと分かりました。なるほど。そうやって引き起こしたんですね。
ブルー・ボヘアンにいる彼女とは…もしかしてエルギのお母さん(もとい、ソビエシュの父の元側室)でしょうか?
そして絵の意味は何でしょう。すごくへたくそだったみたいだけど‥‥。
絵の意味を察してってやるの、大変なことだとナビエが分かってよかったです(笑)
この続きが気になるなあ。
*
この続きの221話はこちらから
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