LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
236話 思ったよりはやく
マスタースは考えにふけりながら歩いていた。足元では落ち葉を踏む音が聞こえるし、冷たい風が彼女の方を撫でたが、そんなことは全く気にならなかった。
そんなことより、彼女はずっと気がかりなことがあった。
最近は寝ても覚めてもコーシャル卿の事ばかり考えている。
手紙の一件を起に一緒に食事をして以来、もうコーシャル卿のことが忘れられなくなっていた。コーシャル卿は彼女がこれまで相対したどんな敵よりも強かったが、彼は弱い面も持っているということに惹かれていた。
コーシャル卿と食事してから少し時間を空けたら気持ちが落ちつくだろうと思っていたが、その妹であるナビエの侍女をしているので、必ず似ている兄・コーシャル卿のことを想い出してしまう。そしてどうしても彼に熱を上げてしまう。
それが彼女の今の悩みの種だった。
*
しかしコーシャル卿はシャレット姫と婚約する間柄。マスタースは「このような気持ちを持ってはいけない」と思っていた。
忘れるために、彼と会っても視線を外すべきだが、それが自分にできるだろうか。コントロールできない自分の心を悩んでいた。
それからもマスタースは「コーシャル卿はとても優しい人なので、視線を外すと傷つくかもしれない。それだけではない、彼はとても真っ直ぐな人間だから…」などと考えた。
最終的に彼女は、「清楚でイケメンで完璧な彼が今まで結婚していないことが奇跡。自分が愛を告白することすらはばかられる存在だ。」と思ったのだった。
*
そこへ偶然にもコーシャルが現れた。(正確にはマスタースが歩いて行った先にいて、壁にもたれかかっていた)
彼は沈んだ顔で床を見下ろしていた。風が吹いて、彼の金色の紙を切れに揺らす。
マスタースはその状況を見て、彼の髪から花が咲くかもしれない…と思ったのだった。
「なんて美しいけど、はかなげなんだ」と思いながらマスタースはコーシャルを見つめる。すると、彼と目があってしまった。
*
マスタースは衝動的に自分の気持ちを告白したいと思った。
もし彼に言わずにシャレット姫と結婚したら、その後も悩むだろう。しかし、それはシャレット姫に失礼な話である。
それなら今言ってしまったほうが良いと思った。
*
そこへ「マスタースさん、なぜそこでじっとしているのですか?」とコーシャルが話しかけて来た。
深呼吸するマスタース。そしてゆっくりこう言った。
「好きです」
*
マスタースとしてはもっと良い告白をしたいと思ったが、実際に口に出たのはこんな簡単な言葉だった。
後悔したが、後の祭り。もっと、「生涯あなたを守ります」とか宝石を買って差し出したりすればよかった…と思った。
「私は、マスタースさんが想像する人間ではないかもしれませんが」
返ってきた言葉は予想外に、拒絶ではなかった。
マスタースは「私のことは好きですか?」と聞き、すぐに「大丈夫です、私があなたが何者であっても好きになることができます」と続けた。
これに笑うコーシャル。
そして「実は私も君にずっと興味がありました。あなたが私の頭を壊した時から」と答え、マスタースを抱きしめ、キスをしたのだった。
***
それを偶然見てしまったナビエは、思わず悲鳴を上げそうになった。
兄弟の恋愛シーンは見ない方が良い…と思い、自分も兄の前でハインリとそのようなことはないようにしようと思ったのだった。
しかし偶然に見た兄の笑顔はナビエも見たことのないものだった。本当にマスタースのことが好きなのだと感じた。
ナビエはシャレット姫とのことをうまく解決する方法を探そうと思ったのだった。
*****
その後、ナビエは仕事中も何回もマスタースの方に目が行ってしまった。彼女とは家族になるかもしれないから。
ただ、マスタースとも目が合うので、彼女もこっちを見ていると思った。
多分、自分の顔を見て、兄の事を思い出しているんだろう…。
*
気分転換に魔法の練習に向かうことにした。
空中に氷を作ろうとすると、薄い1枚が出来、パリっと音を立てて、下に落ちて割れた。
「これだ!」
ナビエは今までにない、何か感覚をつかんだような気がした。何か不思議な感覚だった。
***
と、そこにまたドルシが現れた。
彼が来たので侍女たちはその場を去った。
ドルシはまた青い鳥の話をしようと言ってきたが、ナビエはカフメンに聞いてと伝えた。
*
すると彼はナビエの周りの魔力が流れている。少し前進しているようだ、と告げた。
ナビエは彼に促されるままにもう一度魔法を使って見せると、彼は拍手をする。
そして「ここまで来たら、魔法石を使ってみたらどう?役に立つだろう」と言う。
魔法石は大きければ大きいほど良いそうだ。
***
ドルシが帰った後、ナビエはハインリとの寝室のベットへ向かった。
『大きな魔法石』と言えば、彼女が知るのはベッドのことであり、おそらく世界最大のものだった。しかしハインリが前に妙なことを言っていたことが気になった。
とりあえずナビエは倉庫から大きな魔法石を持ってきて、片手に握る。
すると握る前とは違った感覚が感じられた。独特な感じだ。
そして先程の訓練と同じように、魔法石を握った状態で、再度魔法を使ってみた。
ナビエはこれまでになく簡単に、氷を作ることが出来た。
魔法使いがなぜ魔法石を欲しがるのか、理由が理解できる、と感じたのだった。
*
その後も様々な形の氷を作る練習をした。
そして次は氷を溶かすおとをやってみようと思い、トライする。
集中して魔力を吸収し、放とうとした瞬間…
ナビエは心臓の近くで針で突かれるような痛みを感じて、倒れたのだった。
*****
西大帝国は魔力減少問題と関連があります。魔法使いは無敵ではなかったのです。
うまく行けば、東大帝国の力を抑えることにもつながります。
この二大強国にこれからも耐え続けますか?どういうことかよく考えてバランスを見て下さい。
P.S. 真偽不明だが、東大帝国の皇帝は不妊だそうです
このような手紙は月大陸連合から各国に届いていた。
もちろんホワイトモンドも例外ではなかった。
この手紙を読んだホワイトモンドの王は側近と悩む。
今はシャレット姫がコーシャル卿と結婚の話が進んでいる。これが進めば、東大帝国、西大帝国、両方とパイプができることになるので、月大陸連合と組むことは得策ではないと判断した。
***
不穏な手紙が各国に回っていると知ったハインリも、急いで西大帝国の宮殿へ帰還してきた。
ハインリは正確な内容を把握していたわけではなかったが、手紙を読んで緊急の会議を始めた国もあると知り、深刻な話だと考えていた。月大陸連合は自国と魔力減少の原因について疑っているため、もしかするとその話ではないかとも推測していた。
*
ところが宮殿に着くと、皆バタバタと慌ただしくしていた。
驚きながらハインリは騎士に尋ねると、「皇后が早産するようです!」と回答が。
隣にいたマッケナは驚いて小さく声を上げた。
慌てるハインリは急いで寝室に上がった。入り口ではローラとマスタースが泣きながらお互いを抱きしめあっている。ニアンを始めとするナビエと親交のある貴婦人たちも焦りながら行き来していた。
その寝室の扉は固く閉ざされていた。入ろうとするハインリはランドレ子爵に入場を阻止された。
「申し訳ありませんが、誰も入れることができません」
マッケナは手で口を覆い、ハインリは口を開けて扉を掴んで祈るようにしゃがみ込んだのだった。
*
続く。
マスタースの見るコーシャル、乙女フィルターがかかりまくっていて、笑っちゃいました。
でも、可愛いですね。
告白のセリフは「好きです」が正解だと思った読者の私です(笑)
*
そしてナビエは早産でしょうか?!心配…。
”心臓を付くような痛み”は、勝手に赤ちゃんの嘴では?と思ったりしました。
きっと魔法を使ったことが引き金ですよね。
無事に生まれて来てくれることを祈ります。
(ハインリも不安そう…!ここは漫画で読みたいシーンだな…メモメモ)
*
この続きの237話はこちらから
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