LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
252話 慌てたエインジェル
ランドレ子爵は信じられないことがが起き、耐えられないといった表情をしている。
「そんな……私が救ったのは……」
ナビエの頭には再び神官からの警告がよぎった。神官から受けた警告は「ランドレ子爵の裏切り」を意味しているとだけではないと解釈していたが、合っていた…。
ランドレ子爵の救出とは直接関係のないことで、彼のせいではないと言わなければならない。
この状況でも、今から目の前で行われることに目が離せなかった。
エインジェル。あのクレイジーな騎士団長は何を考えているのだろうか。
他の来賓の王族・貴族たちも慌てた様子で、互いの顔を見合った。新年祭の出し物というのに、エインジェルが見せたのは騎士だ。皆、彼はこれから何かしたいんだ?という表情だった。
エインジェルは周囲の様子を気にすることなく、ゆっくり移動した。
「敬愛する貴賓の皆さん。」
声も落ち着いて、上機嫌な様子。周りの様子との違いでより彼の声が目立った。
貴族の群衆に推されたナビエたちは、ホール中央で立ち止まり、そのころエインジェルは小上がりの檀上に登った、
人々は皆、彼に視線を寄せた。
*
ようやく口を開いた彼は「残念ながら数日前、連合本部に泥棒入りました。」と言った。
これを聞いた人々はざわついた
ナビエとハインリは群衆の中から捕らえられた騎士を見ることが出来た。騎士もナビエ・ハインリと目が合った事で、一瞬目を輝かせた。もっとも、彼は自分がハインリの部族だということは極秘事項なので、すぐに視線をそらしたが。
すぐに騎士は表情がおまけになった。ここで知っているふりをだからとにかくスワイプさせないようだ。
そこでエインジェルは続けた。
「泥棒のほとんどは逃走したが、幸い泥棒の一人を捕えることができました。」
彼が手を伸ばして騎士を指す。すると、人々の目はあっという間に騎士に集中し、皆から喧噪が上がった。
ナビエはハインリの顔を見た。感情は変わらなかったが、彼の顔の血管は浮き上がり、静かに怒っていることが見て取れた。
そして、檀上の上から降りた、エインジェル。ゆっくりと歩いて、さりげなく、ナビエたちの前までやってきて口を開く。
「誰が送ったのか、目的が何なのか、見つけたかったのに口を開けないのか。」
「誰がどのような目的で送ったのかは分かりません。だから仕方ないですよね。皆さんの前で白状させるするしかありませんね。」
ハインリの目は鋭く、じっとエインジェルを見つめる。
エインジェルはさらに一歩進んだ。そして彼は、不思議な形の拷問道具を取り出した。
「これが見えますか?これで彼を拷問してみましょうか。これを使うと、相手が小さくなります。皆さんにお見せしましょう」
これを聞いたナビエは、エインジェルは狂っていると思った。
そして近く立っていた第四騎士団の騎士数人が出てきて、拷問道具を握った。
エインジェルが合図をすると、彼らは本当にその道具を使った。そして、騎士は目に見えるスピードでやせ細り始めた。
捕らえられた騎士を見ていた貴賓たちから小さな悲鳴を上がった。
ランドレ子爵が言うには、その道具は多国籍騎士団が拷問でよく使うものだが、通常このようなケースでは用いず、もっと非常に悪質な犯罪の場合に使うそうだ。
見守る周囲の人々は緊張の面持ちでっ守っている。
隣でハインリは拳を握りしめ…エインジェルはナビエを見てほくそ笑んだ。
彼の笑顔にナビエの心は締め付けられた。
しかしエインジェルはこの状況を楽しんでいる様子だ。
彼は騎士を殺そうとしていない。ナビエたちをますます窮地に立たせるため、騎士を”変身”させるつもりだ。もっとも、彼は騎士が”変身”できると想定しているが、しないのであれば、そのまま拷問し続けて死に追いやるつもりかもしれないが。
*
ナビエはハインリを見た。どういうわけか彼は静かに状況を見つめ、立っているだけだった。
いつもの目が鋭く見えたが、それでも静かにでった。拳を握っているだけである。何を考えているのであろうか。どうすれば解放できるか考えているのであろうか。
エインジェルは、ハインリの一族の秘密について想像以上に徹底的に調査するのだ、とナビエは理解した。拷問されている騎士も拷問に耐えるのが精いっぱいのようすではあったが、”変身”することはなかった。
ランドレ子爵はハインリとナビエを交互に見つめ、「陛下」と声をかけた。
どちらを呼んでいるのかは分からないが、どちらかに声をかけたようだ。
ナビエは焦る気持ちで心臓が飛び出そうになった。このままだと騎士が持たない。
はやる気持ちでまたハインリを見た。
そこでナビエは、ハインリが片目で一点を集中して見ていることに気づいた。なぜそこに集中しているのか分からなかった。
彼の視線の先を辿ると、鉄槍があった。その先端が変わってきていることに気づいた。一見分からないが、とてもよく見ると、変形してきていた。
ナビエはハインリが使える魔法は変身魔法だけだと思っていたが、他にも使える魔法があるのかもしれない。
ナビエはランドレ子爵を掴まえて、ハインリとエインジェルの間に立てた。エインジェルがこちらを見てもハインリが見えないように。
*
そして……ナビエが自分に他にできることはあるだろうか、と思いめぐらせた瞬間。
群衆の中で誰かが発言した。
「新年が始まるという日に、こんなショーを見なければならないのか?」
不満が出るやいなや、第四騎士団は拷問の手を緩めた。
すると、泥棒に懲罰を与えるのは裁判ですればいい事だ、こんなことを見て楽しむ変態はここにはいない、などなど、口々に言い、「そうだ!そうだ!」と同調する声が次第に強くなった。
それでもエインジェルは笑っていた。
彼は「心配ご無用です。想像よりもっと面白い光景を見ることができるでしょう。」と人々に告げた。
やはり、捕らえた騎士が変身することを疑っているようだった。
そもそもはハインリを怪しんでいたはずだが、3人の騎士が逃走すると標的を捕らえた残りの一人の騎士に移し、彼も変身するかもしれないとにらんだ様子だ。
エインジェルが指示を出したので、第四騎士団の騎士がが再び拷問道具を使い始めた。
ナビエは”もしかしてハインリには時間が必要なのか?”という考えが浮かんだ。
ナビエがこっそり尋ねると、ハインリは(少しだけ頭を動かす程度に)頷いた。
ナビエは再び聞く。
「私たちが話したことを覚えていますか?」
ハインリは再び頭をうなずいた。
捕らえられた騎士は耐えがたい拷問で、もう蹲っていた。
*
ナビエは彼の手を掴んで一度ぎゅっと握り、離した。そして深呼吸をして、前に向かって歩いた。
「エインジェル卿」
そこまで大きな声で呼びかけていないのに、待っていたかのようにエインジェルはナビエの方に振り返った。
「ナビエ皇后陛下」
*
続く。
今回はずっとエインジェルの拷問ショーの話でした。
彼は心から人が苦しむのを見るのが好きなんですね。
本当に悪趣味!!!これが第四騎士団が嫌われる理由か、と思いました。
拷問道具の部分は正確に捕らえられていないかもしれないので、ここは漫画でどのように表現されるのか楽しみです。(何やら小さくなる道具?と書かれているように思えましたが)
さて、ナビエが次にどんな手段で話を切り出すのか?
楽しみです!
*
この続きの253話はこちらから
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