LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
219話 わたしは君が嫌い
ナビエの声はいつもより少し冷たかった。
ソビエシュはテーブルの横でピッタリ固まっていた。そしてゆっくりと体をこちらに向ける。
しかし夜なので月明かりしか入らない部屋の中は暗く、彼の表情は読みづらかった。それでも彼が口を真一文字にしていることだけは分かった。
ソビエシュに向かって一歩一歩近づくナビエ。すると段々彼の表情が見えて来た。
すると彼は「ナビエ…私は…」と呟いた。
ナビエは「申し訳ないと思っているのですか?嘘も上手ですね」と返した。
だが実はこれはナビエが仕組んだことだった。彼が夜ここに来るように誘導し、彼を窮地に追い込むつもりだった。
彼が罪悪感を感じ、これ以上詮索が出来ない様に、そしてできれば早く帰国するように、と計画していたのだ。
そのまま出ていこうとするナビエをソビエシュは呼び止める。
それでもナビエは無視しようとドアを開けたが、その瞬間後ろから手をついて止めて来た。
ナビエは「何をするのですか、ここに来たのは魔力のことを調べるためでしょう。東大帝国はそのことで西大帝国を疑っていたから。」と言い放った。
それでも「ナビエ」と言って食い下がらないソビエシュ。
ナビエはソビエシュに「あなたに気持ちが戻るつもりはないけれど、許そうと思っていました。しかし…」
「…ナビエ」ソビエシュは再度声を振り絞って呟いた。その声は泣いているような声だった。
19歳のソビエシュかもしれないと一時は思ったが、それも違ったようだ。
*
そこへ後ろからソビエシュの騎士団が現れた。なぜナビエがここに居るのか、と不思議に思っている様子だった。
ソビエシュは早口で「自分が東大帝国を愛しているのと同じようにナビエも東大帝国を愛してるのを知っているから、魔力減少の問題を心配しているだろうと思っていんだ」と伝えた。
ナビエはこれに対して「分かりました。ラスタさんを心配しながら私の事も心配してくれたあなただから、それは本心なのでしょう。」とわざとソビエシュの棘がある言葉を返した。
―――しかしソビエシュは事あるごとに自分のことを本当に心配していた。ランドレ子爵はソビエシュの側近がナビエの悪口を言うと拳を飛ばしていたと言っていたし、自分が怪我をしたらすぐにエベリーを送って来てくれた。そして、東大帝国に行った際に、実家の下で暗い顔でソビエシュは立っていたし…色々なことが頭に浮かんだ。
確かにソビエシュの言葉通り、彼は本当に心から自分を心配しているかもしれない。しかしナビエが思うに、彼の中の優先順位が低い方に”ナビエを心配する”ということがると思った。
そう思うとイライラするナビエ。
彼は本来の目的を、”自分を心配する”という建前の目的で隠そうとしていると思った。
なのでナビエは「本来の目的をはっきり言ってください。建前で隠そうとするな」と言った。しかしソビエシュは建前の目的ではないと伝える。本当に心配していたのだと。
だけどその話はナビエには響かなかった。
ナビエは「私はあなたについて何も知らない。私が知っていたあなたは他人を愛して、私を追い出す計画を立てました。」
ソビエシュからその返事は無かった。彼はまさか部屋の中に求めている秘密が無い、この件自体がナビエが仕組んだ罠だとは考えてもいない様子だ。
これ以上会話することは無かったので、ナビエはその部屋を去った。
***
部屋に戻ったソビエシュは一人になって鍵をかけた。
酒を飲みたかった。酒を飲めば夢でナビエに会えるかもしれない。
2年、いや1年だけでも過去に戻れたらどれだけいいだろうか‥と思った。
しかも自分は今自分の意思で西大帝国に来たのではなく、しかもナビエに謝罪するふりをして魔力調査をしにきたわけでもない。ナビエから冷たい指摘もあり、悔しい気持ちになった。
しかし、…ナビエの兄に濡れ衣を着せて追放した時、ラスタのことで変な噂を立てているとナビエを疑った時、彼女の名前を騙ってラスタにプレゼントを贈ったことで変な噂話を立てられた時…これらのことを思い返す。彼女がどれだけ悔しい思いをしたのかと反省した。
辛い気持ちで胸を掴み叩くと、そこにはナビエがいた。彼女は”何してるの”?”と話しかけて来た。手を伸ばすと消えてしまうのだが。
ソビエシュは立ち上がって、ベッドに倒れ込んだ。そして目を閉じて布団にうずくまる。
考えた末、彼は行き場所を失った怒りの方向性を決めた。
「殺そう」
昼間にだけ目覚めると言う自分、秘境にも悲しい記憶をな新一つ持っていないという19歳の自分を滅しようと思った。
ソビエシュは机に行き、手紙を書いた。
今、何をしている?嫌われている立場なのに、狂ったのか?
そしてカルル侯爵を呼んで手紙を渡し、昼間に現れる19歳の自分を殺す方法を探すように命じた。
*****
翌朝、ナビエは散歩がしたくなり普段より早く庭に出た。
歩いている途中、倒れそうになったので慌ててマスタースが支えた。
マスタースはナビエの顔色を見て心配するも、ナビエは問題無いと伝えたのだった。
昨晩の出来事が影響していることが自分では分かっていたが、魔力減少に関する話は西大帝国の宮廷内の人物でも知らない人間が多く、極秘事項だった。なので、彼女にも顔色が悪く見える本当の理由は伝えることができなかった。
侍女たちはただ、『ソビエシュはよろしくない目的で訪ねてきている。なのでちょっと痛い目をみせないと…』程度にしか思っていなかった。
(その程度でも十分ナビエの支えにはなるわけだが)
しかしジュベール伯爵夫人は「他人を傷つける言葉は自分も傷つける」と言ってあまり乗り気でなかった。
これを聞いたローラはため息をつきながら「なぜジュベール伯爵夫人は伯爵とお似合いなのに、こんなに仲が悪いのか分からない」と言った。
ジュベール伯爵夫人はこの言葉が嫌だったのかローラと口論していた。
ナビエは二人の口論を聞きながら噴水の前に立ち止まってしばらくぼーっと水流を眺めた。
『他人を傷つける言葉は自分も傷つける』
確かにソビエシュに冷たい言葉を投げかけた時、自分も辛い気持ちになったな…と思い返したのだった。(しかもその時は19歳のソビエシュだったらしいし)
***
結局ナビエは気分が晴れないまま散歩を終えて執務室に行った。
侍女たちとは別れ、ランドレ子爵たち騎士だけが執務室の前で護衛をすることになった。
紙とインクの匂いでいっぱいの執務室で一人になり、ナビエは少し気分が落ち着いた。本を取って開くと、更に気分が落ち着く様だった。
*
本を開いて深呼吸している時だった
窓を叩く音がしてみると、鳥がいた。クイーンだった。
そして扉を開けて中に入れると、すぐ人の姿になったのでびっくりした。
なぜ鳥の姿で来たのか?と聞くと、ハインリはナビエが仕事ばっかりで遊ぶ暇がないからと言って見せた。
そして「見せたいものと相談したいことがある」と言う。
内容を聞くと、ついてきてと言ってまたクイーンの姿になったのだった。
ナビエはクイーンについて行くと、複数の木がある平野についた。クイーンはその中の1本の木にとまったので、見上げるとそこには巣が会った。
クイーンは再び人の姿に変わって服を着る。そして、「私たちの赤ちゃんのための巣です。好きですか?」とハインリは誇らしげに言った。
ナビエはその位置の高さにビックリ。
しかしハインリは「自分たちの一族の赤ちゃんは高いところが好きです。赤ちゃんの時は飛べないので、心配しないで」と答える。
ナビエは実際あまりハインリの一族について理解できていなかったので、色々考える。
しかしこの悩み(?)でソビエシュとの昨日の一件をしばし忘れることが出来た。
*
そして急にハインリは真剣な顔になって別に相談することがあると言った。
*
続く。
今回は簡単な感想だけ。
巣を作ったハインリの話が本題ではなかったんですか!
なんの話なんだろう。
*
この続きの220話はこちらから
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須賀会ったとは!?
漢字変換の間違いが多いです。
投稿前に読み直してください!
R様、こちらも大変申し訳ないです。
ご指摘の通りでした。他も本記事は修正致しました。まだまだたくさんの誤字脱字あると思いますが、
引き続き修正してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。