LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
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222話 雷
副官は部屋に入るや否や、「リールテアン大公が姿を消しました!」と言ってきた。
外では雷鳴が響き稲光で外が明るくなっていた。
ナビエは驚いた。
リールテアン大公はハインリの誕生日パーティーの時に確かに赤い塔に閉じ込めた。しかしそこは貴族などを閉じ込める牢獄で警備が厳しいところであった。
にもかかわらず彼は外国であるこの国で脱獄したという。しかもこの悪天候の中だ。
信じがたい話だった。ナビエは脱獄の経緯について副官について尋ねたが、そこまでは把握していないと言う。
そもそもリールテアン大公に対する処罰はソビエシュにも伝えていた。なので、東大帝国も同意の上で彼を投獄していた。
なので、国際問題でもないはずであった。
ナビエは副官にもっと何か自分が知らない事実は無いか確認した――――。
*****
その頃リールテアン大公はマントで体を覆いながら東大帝国に向かっていた。悪天候で濡れたマントが重く、脱ぎたいと思ったが東大帝国に着くまでは脱ぐにはいかなかった。
彼は口を負傷していて、唇が裂けていた。口からは血が流れる。
リールテアン大公は「どこまで行けばいいのか」と叫ぶ。
彼はここまで傘を持った人物に先導されていた。彼は地図を広げながら「この道ではないか」と呟いた。
地図は雨で泥まみれ、破れていた。
リールテアン大公は激しい口の痛みに耐えながら歩くのが辛く、「本当か」と怒って聞いたが、傘を持った彼は「狂った男が気づく前に逃げないと」と言って先を急がせた。
リールテアン大公は口に石を入れて縫われた状態で投獄されていた。なので、彼の口は本当は治療を要するほどの傷を負っていた。しかし緊急で脱獄したので適切な治療を受ける余裕はなかった。
傘を持った人は大公が怒っても平然としていて、「自分だけを信じてついてくれば良いのですよ」と言っただけだった。
丁寧な口調であったが奇妙な話だった。
傘を持った人物は続けて、「会いに行かなくてはいけない人がもう一人います」と告げた。
リールテアン大公は「それは誰か?寄り道してまで聞かなくてはいけない人物なのか?」と聞いたが…
*****
あまりの天気の悪さに、ナビエは今日の謁見を中止することにした。
ナビエは部屋に戻り、寝室のドアを開ける。そこではハインリが天使のような顔で寝ていた。
「ハインリ」と呼びかけると彼は目を覚ました。彼は泣起きてナビエに手を伸ばす。そして首の後ろを掴んで自然に二人は口づけした。
まだ朝の早い時間なのにもう起きるのかとハインリに聞かれるナビエ。
ナビエはハインリにマッケナや副官から緊急の要件を聞かなかったかと確認。しかしハインリは聞いていないと言う。
ますますこの話は怪しいと思うナビエ。
ハインリは起きて何が起こったのかと聞くので、ナビエはリールテアン大公が脱獄したことを伝えた。
これにはハインリも驚く。ソビエシュも承知の上で投獄している大公が、なぜそのようなことをした(もしくは先導された)のかと。
ナビエもその話に同意。なぜ、マッケナもハインリの副官も知らない話を、自分の副官が真っ青になりながら自分のところに来て知らせたのか…疑問に思ったのだった。
***
ハインリはマッケナに会って、リールテアン大公が脱獄した話を伝えた。しかし実はマッケンは知っていて、牢獄を調べて外から中に誰かが入った可能性があると告げた。
ナビエの仕事負荷を考えて伝えなかったそうだが、ナビエが夜明けに起きて執務室に降りてしまったため結局マッケナの配慮は無意味なものに…。
ハインリは思わずため息をついた。
マッケナは続けて、リールテアン大公の口に石を詰めて縫ったことも皇后は知っているのかと聞いた。ハインリには耳の痛い話だった…。
そのことを知られて捨てられたらどうしようと心配するハインリに、知ったら捨てられるでしょうねと言うマッケナ。
一触即発の雰囲気の二人に宰相が咳払いをして割って入り「まず捜査官に誰が脱獄を助けたのか調べさせます、あとその時間に出入りした人も。」と告げた。
ハインリは宰相の動き褒め、外を見た…。
雨が酷くまだ午前中なのに、外は夜の様な暗さだった。
*
ハインリはソビエシュの今の様子をマッケナに聞く。
マッケナ曰く、まだソビエシュはリールテアン大公の脱獄を知らないだろうとのことだった。
ハインリはソビエシュに直接話をした方が早いと思い、一緒に昼食をすることにした。
***
ナビエはハインリがリールテアン大公にした仕打ちを知っていた。確かに残酷な罰だ。しかし元々問題を起こしたのはリールテアン大公であり、被害者は子供であった。だから仕方ない。
リールテアン大公を探して再度閉じ込めるのか、それとも東大帝国に連れて帰るのかどちらの結論になるにせよ、最大の問題点は現状のソビエシュがリールテアン大公についての指示を覚えていないだろう、ということだった。カルル侯爵が伝えてくれるから大丈夫なのかもしれないが。
色々考えるが、この件はナビエの管轄ではない。頭を切り替えようと、視線をさまよわせた。
とにかく、口に石を入れた…などというイメージは胎教に良くないと思った。なので、ハインリの言う通り、胎教によさそうな綺麗な話の本を読んで頭を浄化させたいと思った。
*
雷鳴がうるさく、聞きたくないなと思って耳をふさぐナビエ。ふと、面白い話が頭に浮かび思い出し笑いをした。
何が面白いのかと聞くローラ。
ナビエは「幼い頃、兄が雷を恐れていたことを思い出しました」と伝えた。
これには皆ビックリ。「今怖いコーシャル卿が雷を恐れていたなんて意外だ」とローラが口にした。一方でマスタースは「やっぱりそうなんですね」と言う。2人は意見の違いにびっくりして目を見合わせた。
マスタースはこう続けた。「いや、彼は恐ろしく見えても心は優しく弱く見えませんか。雷鳴を怖がるなんて似合うと思いました」と。
マスタースが言う兄の像に驚くナビエ。「もしかして兄に気持ちがあるの?」と聞くも、即否定するマスタースだった。これを見ていて肩を震わせて笑いを堪えているローラ。
再び雷鳴が轟く。侍女たちは悲鳴を上げて驚いた。
*
暫くそのように騒がしくしていると、応接室を誰かがノックする音が。
話すのをやめて、ローラはソファから立ち上がってドアに近づくと…?
*
続く。
リールテアン大公が脱獄したそうですが…手引きした傘を差した人とは、誰なんでしょう?東大帝国にもメリットがあるように思えないけど…。
手引きした理由も知りたいですね。
*
そして、ナビエに知らせないマッケナの配慮は台無しになりました。
*
さてハインリがした仕打ちが考えただけでも恐ろしくなりました。確かに大公が子供を池に落とすってちょっと酷いけど、それ以上に酷い罰を与えすぎでは?
(しかもそれってもしかしたら見間違い?ってか冤罪だったような…)
ってかそれやられて、よくリールテアン大公生きてたなと思った読者です(苦笑)
どうやって食事していたんだろう…。早く口を治療したって!
*
それを知っても仕方ないと思うナビエ、ちょっとハインリに感化されています?!苦笑
。。それは置いておいて、訪問者は誰でしょうね?
*
この続きの223話はこちらから
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