LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
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223話 残酷な皇帝
ローラがドアを開けるとそこにはランドレ子爵が立っていた。彼は服の肩の部分が濡れていた。
ランドレ子爵は「これから仕事で暫く席を開けます。副団長がいるのでご安心ください」と告げた。
雨が降っているので今日は遠出はできないが…と言いながら彼は退出した。
ナビエは「彼は護衛の仕事をしてくれているが、実際は連合騎士団に所属しているからそちらの仕事も多いでしょう」と告げた。
ローラもそれを思い出して、「そうでした!」と言う。
そもそも、彼がナビエの護衛を今までのようにできていたことがすごいのだった。
*
ナビエは相変わらずリールテアン大公のことが気にかかっていた。
彼が単に監禁されていただけであればここまで気にはならない。ソビエシュの承認もあって監禁していたので問題になる余地も無い。
しかし実際は口に石を入れられていた。これが分かれば国と国の問題になることもあるだろう。
現在、東大帝国と西大帝国は敵対関係とまでは言わないが、これが火種になる可能性はある。今のソビエシュの状態も正常な状態ではないので、今後の展開は予想しづらかった。
ハインリはどのように処理をするつもりなのであろうかーーーナビエは頭を悩ませていた。
*****
その頃ハインリは一番広い食堂の大きなテーブルにいた。
そして机の隅に座り、向い側にはソビエシュが座っていた。そして周りには宮廷人が待機している。
二人が食事をするのはどうも居心地が悪かったが、ハインリが敢えて用意した昼食の席である。
*
ソビエシュは「言いたいことは何か?」と端的に質問。
ハインリはすぐにこう答えた。「リールテアン大公が我が国の貴族の子供を殺そうとしたことを、覚えていますか?」と。
*
昼のソビエシュはまだその話の日記を読んでおらず内容を把握していなかった。カルル侯爵が色々話はしていくれていたが、事細かに一つ一つ知らせることは無理であった。
カルル侯爵は処理すべき事項を優先して話をしていたが、リールテアン大公に関するこの件は優先事項から外れていた。
…そのためソビエシュは特に返答をせず、表情をこわばらせ、目の前の魚を食した。
続けてハインリは言う。
「リールテアン大公が脱獄しました。もし先に見つけましたら、こちらに戻してください。かれはあと5年投獄される予定です」
「そうか」ソビエシュはこう答えた。そして、話を聞いて頭をフル回転させる。
リールテアン大公が罪を犯して脱獄したということを自分にハインリが告げたということは、現在の”ソビエシュ”がリールテアン大公の投獄を承知していただろうということも認識した。
――ただなぜ自分がリールテアン大公のこのような処遇を任せたのかは不思議だった。
ソビエシュは「脱獄したくなるような処遇だったのだろう。それは認めていない」と返事をした。
ハインリは丁寧に扱っていたと答えたので(嘘だが)ソビエシュは牢獄の整備をしたらどうか、経費を増やすべきではないか、と返した。
ここでソビエシュはこれに笑顔で切り込んだ。
「リールテアン大公を閉じ込めた赤い塔の警備を突破できるのは、陛下の魔法使いや多国籍騎士団だけだと思います。勿論多国籍騎士団が出動したわけがないと思いますが。」と。
ハインリの意図は『東大帝国側の差し金で脱獄したのではないか?』という話だった。
加えてソビエシュのことも夜中に歩き回るような方ですからと言って嘲笑ったのだった。
*****
ナビエは執務室にいた。副官にはリールテアン大公に関する文書を持ってくるように指示をしていた。
そこでドアを叩く音が聞こえた。入室を許可するとハインリが入ってきた。
副官に調査結果を持ってくるように伝えたのに。
彼は箱を持って入ってきた。
その箱の中にはナビエが以前食べたいと言っていた”エンドウ豆のポタージュ”が入っていた。
できたての湯気と良い香りがする。なんでもハインリが作ったそうだ。そう言って彼は洗った。
彼の笑顔は可愛かった。しかしナビエには自分のご機嫌取りをしているように感じた。相反する二つの感情が込み上げてきて、短くため息をついた。
ナビエは悩んだ結果、ハインリの手を握り…まずは持ってきてくれたポタージュを食べることにした。
*
ナビエはリールテアン大公のことはハインリに伝えた方が良いと思った。
ハインリがしたこのようなことは一度や二度ではない。
自分のためにしたこととはいえ、一度真剣に話をするべきだと思った。
そしてハインリに「あなたが与える罰が正当なものであっても、その方法が残酷なものであれば、人々はその罰ではなく手段に注目するでしょう。厳格な罰と残酷な罰は違います」と伝えた。
ハインリは西大帝国を心から愛する皇帝だった。ナビエは後世でハインリが行った残酷な行為を評価されないことを望んだ。
しかしハインリはため息をついてこう告げた。
「クイーンの言うことは分かります。あなたの言うことはできるだけ聞きたい。しかし自分はソビエシュ皇帝のように座って仕事をするだけでは貴族たちがついてきません。恐ろしい皇帝であり続けながらも、貴族に警戒心を刺激しないように気を付ける必要があるのです」と。
結局ハインリはナビエの両頬にキスをして、出ていった。
*
ナビエはハインリが出ていった後、届けられた文書を呼んだ。
しかしハインリの言った言葉が気になっていた。さっきはあんなにおいしそうだったエンドウ豆のポタージュも食べたくなくなっていた。
しかしハインリの作ってくれた食べ物を捨てるのも嫌で…一口ずつ口に運ぶ。
*
半分ほど食べたところで、副官が部屋を訪ねて来た。
副官は当惑した様子で、ソビエシュからの贈り物だと言う銀色の箱を持ってきた。
ナビエはソビエシュ皇帝に断るように伝え、その箱を返す。
*
すると今度は副官がソビエシュからだという手紙を持って入ってきた。
返そうと思ったが、見るとそれは東大帝国の皇帝のサインがある。公式な書類であれば返すことが出来ないと思い、開いて中を見ると
これでも返せますか?
この一言だけ書かれていた。迷惑甚だしい行為だった。
ナビエは怒って立ち上がり、手紙を持ってドアを開ける。
…とすぐに花束を持ったソビエシュが「プレゼントだ」と言って出て来た。白と黄色の花の花束。
ナビエは花束は夫がくれるから不要です、と言って丁重にお断りする。
*
ナビエがイライラしながらソビエシュを花束で叩きたい想いに駆られていると、そこにランドレ子爵の使者がやってきた。急ぎの用だそうだ。
ナビエは急いでソビエシュに花束を渡して追い返し、使者と執務室に入って扉を閉めた。*
使者は「ランドレ子爵からの伝言で、『この後誰かが訪ねて来ても、無条件で返すように』とのことです」と伝えた。
*
続く。
ランドレ子爵がしばし不在とのことちょっと不安ですね…。
*
そして妊婦のナビエ、問題山積、悩みが本当につきません!皇后ってそんなものでしょうか?苦笑
*
ハインリとナビエのやり取り、二人のすれ違いが垣間見えます。ハインリが言う、東大帝国と西大帝国では皇帝の事情が違うというのはその通りなのでしょう。
ナビエが言う『厳格な罰と残酷な罰は違う』は綺麗ごとに聞こえるのかもしれませんね。
*
で、そんな時にくるソビエシュ。本当に邪魔!読んでてイライラしました。笑
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この続きの224話はこちらから
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