LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
194話 信じていた人
ラント男爵は困った顔で両手を広げる。無知な側室であった頃からラスタを支えていたため前回衝動的に提案していた逃亡案だったが、徐々に正気に戻ったところだった。
彼女に同情する気はもちろんあるが、同情だけでは行動できない気持ちになっていた。さらに、ロテシュ子爵が罪を認め、イスクア子爵夫妻が予期せぬ爆弾発言をした今、状況は以前よりも悪化している。
「どうかお願い、男爵」ラスタは懇願してくる。大型犬のようなラスタの瞳。その姿は窮地に追い込まれた草食動物にも見えた。
根負けしたラント男爵はラスタが首都を抜けるところまで手伝いをすることにした。(…ここでラスタの願いを断ったら生涯悪夢を見そうだと思ったからだった)
ラント男爵は騎士の目を1回だけであれば引けると思うので、金品をできるだけ持ちだすようにと伝える。
ラスタは早速部屋中のものをかき集め始めた。これから自分が頼れるのはお金だけだろうと思い必死だ。
ラント男爵は先に外に出て準備してくると言う。ラスタには、”30分後の西正門の騎士が退席した時に真っ直ぐ進んで正門を出る。正門を出たらマントを被せ顔を隠すように”と指示した。
*
15分後。
ラスタは必死に金品や宝石を集め部屋を出ようとした。そのところで予期せぬことに、メイドのリアンがラスタを迎えたのだった。
リアンはラスタが逃亡することを見抜いていた。
固い表情で、ラスタに逃亡を止める様に言う。「逃亡は陛下に不利になり、逃げずに立ち回って対応するほうが良いでしょう」と言う。
ラスタはリアンの物言いに抗議するも、リアンは「間違ったことをしていると思うので、止める必要がある」と再度言った。
しかしラスタは「彼女は法廷での人々の姿を見ていないから、その恐ろしさがわからないのだ!」と言い、泣きながらリアンに見逃すようお願いした。
リアンはラスタの姿に負け、見逃すから行くようにと伝える。
急に一転したリアンの態度に驚くラスタだったが、お礼を伝えその場を去った。リアンは床を見つめたままだった。
ーーーしかしラスタはドアを閉めて考える。本当に彼女はその場を見逃すことがあるだろうか。「この人は違う」と思っていた人たちには悉く裏切られてきた。
リアンはこれまで親交も厚くなかったのに、自分を助けてくれる可能性があるだろうか。無いだろう、すぐにソビエシュに密告するだろうと考えた。
そしてラスタはナイフを背中で握りしめ、再度リアンにそろりそろりと近寄った―――…
***
ラスタはラント男爵が言った通りの時間に西正門に行く。すると本当に騎士がおらず、通過することができた。そして正門を出たところでマントを被る。
そこでラント男爵がラスタに小さな声で呼びかけ馬車の中へ招いた。
ラント男爵はすぐにラスタの異変に気づく。血の匂いがしたのだ。
ラスタにこれを問うも、ガタガタ震えながら追手に見つかって返り討ちをした、としか答えなかったのだった。ラント男爵もこれ以上は問わなかった。
そしてラント男爵は”以前ナビエもこの方法で脱出した”と、馬車の椅子の中に入るようにラスタに促す。ラスタはそこに身を隠した。
*
馬車は歩みを進め、首都を出た。「残り半分です。そこまで送ります」とラント男爵はラスタに伝える。
そこで突然馬車が大きく揺れ、止まった。
ラスタが何か?と思うと、ラント男爵が「トゥアニア侯爵!」と叫ぶ声が聞こえた。
もちろんその声はラスタにも聞こえる。予期せぬ名前に驚いていると、突然馬車が横転した。ラスタは外に出ようと藻掻くも、出ることができなかった。
トゥアニア侯爵は馬車を槍で壊すように騎士に命じ、壊し始めた。ついにはラスタの入った椅子の蓋を槍が貫通。怖くなったラスタは泣いて、出してもらうように懇願した。
やがてラスタは椅子の中から引きずり出され、すぐさま四方を兵士に囲まれる。
混乱するラスタに向かってトゥアニア侯爵はこう告げる。
「あなたのせいで妻を失ったよ。あなたの悪事を知った後、今日という日をずっと待ち続けていたよ、ラスタ」
ラスタは恐怖で後ずさりをしたのだった…
***
その頃のソビエシュ。
医師にリアンの状態を確認していた。傷が肺まで達しており、重傷だと言う。その話を聞いて、治癒魔法を使えるエベリーを呼ぶように指示した。
*
医師が出て行ったあと、カルル侯爵が口を開く。
「ラント男爵を警戒していてよかったです。しかしリアンがラスタ様の味方をするとは、予想外でした。」
*****
その頃のカフメン大公は、ベンチに座りナビエからの手紙を読んでいた。
計画したルイフトとの貿易がスムーズに進んでいるという話だった。
仕事は順調とは裏腹に、彼の心は荒れていた。理由はナビエへの心と分かっているが、対応法はなかった。
ベンチから立ち上がり庭を歩いているところで、『クソ!氷の魔法で皇后を救ったのは誰か?』という心の声が聞こえる。
彼は足を止める。思わす辺りを見渡したのだった。
*
続く。
今回はラスタ逃亡その後…でしたね。
しかしリアンがラスタの味方をするとは。彼女も一度は支えた主だったから、見送りたいと思ったのでしょうか?…理解できないけど。
ラスタは信じられなかったようですがその方が理解できますw
しかし対応が最悪!口止めは殺すしかない、という発想なんですかね。一人殺したら二人も一緒なんですかね…こわ…
んで、結局トゥアニア侯爵に見つかってしまいました。ニアンの元旦那!恨みまくっていたみたいですね。そりゃそうだ!
で、最後のカフメン大公の話は何だろう?よく分からないですが、第三部の伏線ですかね???すぐに犯人は分かるのかなあ。
*
この続きの195話はこちらから
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