LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
192話 死刑
ラスタは衝撃のあまりぼんやり立ちつくした。
一筋の涙を見せた後は微動だにしなかったので、隣にいるピルヌ伯爵が彼女が倒れないか心配して様子を見ていた。
*
ラスタがハッとした時には既にイスクア子爵夫妻が被告席に引きずり出されていた。
しかしイスクア子爵夫妻については安心できると思った。彼らは神に誓ってラスタを守ると言ってくれたほどだ。
加えて彼らが裁判となる内容は、グローリーエム関連の話ではなく、エベリー殺害未遂に関する話だった。
有罪になったとしてもそこまで重い刑を科せられはしないだとうと考え、このような境遇に同情しつつも少し気を落ち着かせてみることが出来た。
人々もロテシュ子爵とアレンの件よりは関心が薄いようで、何人かは既に法廷を退出していた。
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裁判官は二人にエベリーの事件についてまだ意見を変えないか(認めないか)と問うた。
誰もが変えることはないだろうと思った次の瞬間。二人は突然「認めます。」と言った。
場内がザワつく。
ラスタも話の展開を信じられない。なぜ認めることにしたのか。確固たる証拠が発見されたとでも言うのか。思わず目を見開く。
続けてイスクア子爵夫妻は「エベリー嬢は優秀であり、魔法使いの助手として南宮で過ごすことになったが、それは陛下の心変わりの証拠ではないかと心配になっていました。そのため、今回のような恐ろしい行動に出てしまいました。」
夫妻は彼女が側室であるかどうかは関係ないことだと認め、この件はラスタ皇后による扇動があったと認めた。
ラスタを始め、全員の目が思わず点になる。皆、彼らが発言を一転させたことに驚き、なぜ突然証言を変えたのかと聞いた。
裁判官も同様に驚いていた。一方で誰かの脅迫を受けて声明を変えたのなら、それも明らかにしなければならないのが彼らの仕事。
ラスタは既にグローリーエムの件で有罪が確定しているが、イスクア子爵夫妻の証言の件も正しいのであれば、その衝撃は数倍にもなる。
するとイスクア子爵夫妻はこう述べた。
「私たちは”実の娘でもない方”のためであってもあらゆる侮辱を甘んじて受け入れる。しかし、この件の発端である陛下が、あまりにも自分たちを静観しているだけで、それに耐えられなくなったため証言することに至りました。」
”実の娘ではない”—その単語は衝撃を与えた。法廷内がどよめく。
裁判官が改めて夫妻に対して「ラスタ皇后と実の親子でない、ということか?」と聞くと、二人はすんなり「そうだ」と認めたのだった。
そして実の娘を探すためにお金が必要だった自分たちと、貴族の身分が必要だったラスタ皇后の意見が合致した、と答えたのだった。
傍聴席から「じゃあラスタ皇后の生みの親は誰なんだ!」とヤジが飛んだが、夫妻は「知りません、貴族ではないということしか」と言った。
裁判官は徐々に平静を取り戻した。この話が本当の事であれば大事である。
加えてこの件はソビエシュも知っていたのか、という点も気になった。
ここでソビエシュの名前まで挙げて、二人が認めた場合には大問題になることは間違いないかった。
結局傍聴席からまた「この件は陛下も知っていたのか!」とヤジが飛んだ。それに裁判官はぞっとした気持ちになる。この件を裁く責任について考えて恐ろしくなったからだった。
しかし二人は「陛下がどうかは知らない。とにかくラスタ様が皇后にしてくれれば娘を見つけてあらゆる富と栄華を享受すると約束してくれただけだ」と告げた。
ラスタは客席から叫びたくなった。
勿論ソビエシュは自分が貴族でないことは知っていた。さらに彼らを連れて来たのはエルギ公爵だった。なぜこの問題が今取り上げられるのか…この場で真実は違うと言い放ちたかった。
しかし今自分はそれを行うことが出来ない。
イスクア子爵夫妻は席に戻ると、ロテシュ子爵といつの間にか現れたアレンと目配せをした。
それに気づいたラスタは「ロテシュ子爵がエベリーの件について話をしたんだ」と確信した。
そうでない場合、イスクア子爵夫妻があんなにも態度を突然変える理由が見当たらない。
*
ざわめきの中、机が叩かれ法廷内は静まり返る。
そして最高判事が判決を述べた。
「ロテシュ・リムウェル、死刑。アレン・リムウェル、死刑。イスクア子爵夫妻、死刑。」
*****
その頃の西大帝国。
ナビエは証人喚問を受けたが参加を悩んでいた。彼女の証言が必要となる事件は”手形の被害証言”だった。他の件は証言しなくても良いが、手形の件はなるべく前後を詳細に話して欲しいとのことだった。
この話を聞いたジュベール伯爵夫人は断固として参加すべき!と述べた。そしてそこでこれまで受けた嫌なことを全部暴露するように言ってきた。
今までの嫌がらせを列挙するジュベール伯爵夫人に対し、この話が初耳のローズとマスタースは驚きが隠せず、たまらないという目で見つめていた。
確かにジュベール伯爵夫人が言っている話は、当時の自分にとってとても傷つく話だったし、非常に腹が立っていた。
しかしそれを法廷で話すには問題があるような内容ばかりだった。不妊という噂を拡散した件は大問題だが、公式に謝罪するように求めたので法廷で闘争しなくてもよいと考えていた。
*
そこへランドレ子爵が現れ「自分にも参加要請が来た」と言った。ニアンの名誉棄損に関する話についての証言だそうだ。
悩んだ結果、ナビエは証言をまとめた手紙をランドレ子爵に渡し、そこで読んでもらうことにした。
最終的にハインリにも相談し、ナビエは参観だけすることにした。
ハインリも安心のため一緒に行くことにしたのだった。
*
続く。
簡単な感想ですが…ついに周辺の主要人物に厳しい判決が下ってしまいました…
次回はラスタの逃亡でしょうか?
ラスタの周りに天罰が下って嬉しいけど、それでも死刑はつらい。なんだかつらい回が続きます。
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この続きの193話はこちらから
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