LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
198話 赤よ、こんにちは
結局カフメン大公は窓を開けて二階から飛び降りることにした。膝に怪我はしたものの受け身に成功したので大きな怪我は無かった。
”今か何か音がしたような…気のせいか…。そうだよな。ココは泥棒すら来ない場所だもんな。”
そんな心の声が聞こえた。
カフメン大公はひやひやしながらも微動だにしなかったので、気づかれなかったことに安心した。しかし相手がなぜ訪ねて来たのか、意図がわからなかったので、安心はできなかった。ひとまずそこで相手の動きを見守った。
“クリスタ…。私の妹。あなたの復讐は必ずする。”
確かにそう聞こえた。妹?と不思議に思った。クリスタを妹と呼ぶ人はただ一人。ジュメンシア老侯爵の息子、ジュメンシア侯爵だけしかいなかった。しかし彼はクリスタに厳しい態度を取り老侯爵に家を追い出されたと聞いたが…。
”君が受けた罰は重すぎる。”
色々心の声を漏らしたジュメンシア侯爵。カフメン大公は邸宅の中にこっそり再度入った。そして、彼に近づくと色々と想いを知ることが出来た。
ジュメンシア侯爵が父・ジュメンシア老侯爵に共感していなかったのは、今ハインリに楯突くのは良くないと思ったから。さらに彼には息子がいて、勿論妹も大事だったが、将来ある子供に気を配らなくてはならなかったからだった。
一方、彼の父・ジュメンシア老侯爵は孫の将来よりも妹クリスタのことを気にしていた。子供への影響を受けることを避けるべく、父に従うことはできなかった。
しかし、カフメン大公は、結局彼がなぜ突然心変わりしたのか、何の事件を起こそうとしているのかについては心を読むことが出来なかった。
“幸せが戻った時。それがクリスタ、お前が最後に笑う時だ。”
…彼は何かの覚悟を決めているようだった。
*
そしてジュメンシア老侯爵が移動したのを見て、カフメン大公はさっき彼がいた窓際をチェックする。すると窓を止めたような跡が残っていた。
それを見て彼は侯爵が何を計画しているかは分からなかったものの、心変わりした理由は何となくわかったのだった。カフメン大公は拳を握りしめ、急いで屋敷を出て馬に乗り、首都に向かった。
*****
裁判が終わった後、ナビエは真っ直ぐ実家に帰ったが、ナビエの母はソビエシュに呼び出されていた。
ランドレ子爵を連れて、ソビエシュに会いに行くと言う。理由は分からなかったが、それを相談する侍女もいなかった。(みんなそれぞれの実家に帰省していた)
*
幸いなことに母はそれほど時間を経たず帰ってきた。何の話があったかと聞くと、コーシャルに課せられていたペナルティが解除されたとのこと。これで兄・コーシャルはトロビー侯爵家を継ぐことができる。
嬉しい事だった。
そしてランドレ子爵も東大帝国追放が解除されたと言う。彼は皇室の赤ちゃんを傷つけたという罪で追放されていたが、そんな話はないということで、その命令は解かれたそうだ。
しかし彼らが東大帝国にすぐ戻ってくるのかどうか別の問題だ。
‥と、母が急に笑い始めた。何かと聞くと「陛下がランドレ子爵に苦労が多かったと言うと、ランドレ子爵は『ソビエシュもラスタも権力があるかないかの違いで、二人ともそっくりなのであなたに慰められたくない』と言った」と言う。
しかしソビエシュはじっと黙っていたそうだ。
(理由は港を譲る件で月大陸連合に提訴しなければならない状況なので、連合騎士団長とトラブルになることはさけたかったため)
ナビエはプライドの高かったソビエシュはどれほど怒っていただろうか…と思った。
*
母と食事をした後、ナビエは久々に一人で使用していた部屋に戻った。そこで、ラスタが幽閉の刑となったことを思い返す。それは心から残念、とは思わなかった。今後もその考えは変わることは無いだろうと考え、着替えてベッドに入ろうとしたその時。
執事が訪ねてきて、「ソビエシュがこっそり会いたいと訪問してきた」と言う。
ナビエはきっぱり「すでに寝たと言ってください」と伝える。
執事はナビエの固い表情に驚きながらも了承して出て行った。ナビエはベッドに腰かけ目をつむった。
*
2時間くらい経った頃、気になって起き上がった。気になって窓の外を見ると、そこにはソビエシュらしき人間が本当にいた。帽子を深くかぶり、今日法廷に行く時と同じような固い表情に見えた。遠くてはっきりは見えないが、泣いているように見えた。
暫くその姿を眺めたナビエは再びベッドに入り、窓と反対方向を見て眠った。
*
朝、ナビエは母に帰ることを告げた。母は1ヶ月間邸宅にとどまり、その後父と一緒に西大帝国に来ると言う。
ナビエは朝食後準備を整えて馬車に乗った。最高裁判所に行く時とは違って家紋の付いた馬車であった。
まだ昨日のソビエシュのことが気にかかっていたが、気にする事自体が嫌で、忘れようと務めた。しかし、ふと昨日ソビエシュが立っていた場所の近くを通りかかり、そこで窓の外がいた。
するとそこにはまだソビエシュが立ち、馬車が通過した時に彼はこちらを見ていた。一瞬目があったが、その瞳は絶望に満ちており、助けを求めているようであった。しかしナビエは、今更自分に何ができるのか、と思い慌てて目を反らし、隣に座っているハインリに頭を預けた。
…ソビエシュの顔は死相が出ていて、目を反らすことが間違っているようにも思え、心臓がドキドキした。
ハインリは心配そうに「クイーン?」と尋ねて来た。
大丈夫ですと答えると、ハインリは窓の外を見る様に促す。
ナビエはソビエシュのことを思い出し、恐る恐るも窓の外を見ると、多くの人がナビエの乗る馬車に向かって赤い布を振っていた。
ラスタの結婚式の日。ナビエを無視していた民衆が、今は”幸運の祈念”を意味する赤い布を振って馬車の後ろをついてきていた。
ナビエは思わず涙したのだった。
ハインリはナビエを抱きしめる。そして、こう言った。
「皆クイーンの幸せを願っています。生まれて来る子供とともに。常に良いことを考えて幸せに暮らしましょう。」と。
*****
西大帝国の首都に戻ったカフメン大公はジュメンシア侯爵の不審な動きを宰相に報告。すると宰相は驚き、渋い顔をした。
宰相によると、ジュメンシア侯爵は父に追い出され、友人の家を転々としていると言う。なので、彼が何かを計画していることが信じられないそうだ。
カフメン大公は、皇帝と皇后が西大帝国に戻ってくるタイミングで狙ってくるだろう、と推測。
しかし宰相は自尊心が傷つけられた気がしていた。そもそもハインリとナビエの訪問は非公式なものだし、ジュメンシア侯爵が二人を攻撃しようと兵を準備することは難しいと考えていたからだ。
いくら友好国の大公の言うこととは言え、信じることはできなかった。
そこでカフメン大公はナビエのことを気にして、結局二人が西大帝国に戻る帰路を個人的に監視することにした。個人的に連れて来た護衛達にも、怪しい動きがあればすぐに教える様にと指示した。
*
数日間カフメン大公一行はそのようにして過ごしたが、宰相の言葉通り怪しい動きはなかった。
そしてついに皇帝夫妻一行が首都の宮殿に帰ってきた。
カフメン大公も自分の勘違いだったのか?と二人が宮殿に入ってきたことにほっとしていた次の瞬間。
”父、先立つことをお許しください。妻、愛する子供たち、クリスタ。兄さんがプレゼントをもってそちらに行くからね。”
カフメン大公にはこのような不吉な心の声が聞こえた。まさに死ぬ間際の告白のように聞こえた。
驚いて上を見上げるとジュメンシア侯爵が高い屋根からジャンプしてきた。それに人々は気づいていない。ハインリとマッケナも見ておらず、ナビエも笑っていた。
そして、彼はナビエの頭上に――――
*
カフメン大公は気づいた時にはナビエに覆いかぶさるようになっていた。そこに上から音を立てて侯爵が落ちて来た…
悲鳴が上がったのだった。
*
続く。
うまくまとめられず、ほぼ原作翻訳のままですみません。。
何だか全部大切なような気がして、端折るところがわからなくなっています(苦笑)
しかしジュメンシア侯爵が飛び降り自殺するなんて…彼の考えていることはびっくりします。
そしてカフメン大公大丈夫でしょうか…><心配すぎる!
ラスタがいない回なのでちょっと平和だった気もする今回でした。
***
補足:今回ジュメンシアノ侯爵をジュメンシア老侯爵に置換しました。間違いでした、すみません。
*
この続きの199話はこちらから
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