LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
240話 愛する僕の鳥たち
ハインリはジュベール伯爵夫人に赤ちゃんに関する様々なことを尋ねていた。
「赤ちゃんは何歳から話すことができるのか。早く言葉を聞いて、一緒に歌を歌いたいし、”パパ・ママ”と呼ぶ声も聴きたい。」「赤ちゃんは何歳から歩けるのだろうか。歩けたらか可愛いだろう。2人に同じ服を着せてしっかり手を握って歩かせなくては…」などなど色々呟いていた。
しかし、皇女・ラルスは皇子・カイサを殴るそうだ。マスターズは見ていて心配した。
そんな様子を見ていると二人が仲良く手をつないで歩くのは難しいように思えた。
ナビエは2人一緒が可愛いので同じゆりかごに入れていたが、こんな状況なので別々に入れることにした。
***
その時、ちょうどコーシャルが訪ねて来たとの連絡あった。
甥と姪をとてもかわいがっているコーシャルは既に度々訪ねて来ては、着きれないほどの服を突然プレゼントしてくれたりもしていた。
しかし今回入ってきた兄は、深刻な表情をしている。
*
何かあったかと思い侍女に退出をお願いした。
すると彼は深刻な表情で、連合側の動きについて聞いてきた。
「連合側は各国を集めて、東大帝国と西大帝国を倒そうとしていると聞いた。個々の国の力は強くないが、まとまるとややこしい話になる」
これにナビエは「心配はいりません」と答えた。
しかし兄は安心できないといった表情で、部屋を出ていった。
*
その後侍女たちが部屋に戻って来たが、マスタースの姿が無い。どうしたのかと聞くと、コーシャルが連れて出ていったと言う。
***
マスタースはコーシャルと二人きりになった。何の話かとドキドキするマスタース。
するとコーシャルは悲しい話を切り出す。
「申し訳ないが、先日私が言った事は全て忘れて欲しい。」
これにはマスタースもびっくり。どうしてそんなことを言うのか…自分のことが嫌いになったのか、と理由を聞く。
すると彼はマスタースのせいではないと返す。理由は西大帝国が孤立しないために、シャレット姫と結婚しなくてはならないから、だそうだ。
そしてコーシャルは「あなたは私には勿体ない方でした。」と言い去った。
*
打ちひしがれ、涙を流すマスタース。自分が姫に生まれてこなかったことを悔やんだ。
きっとシャレット姫はコーシャル卿のことを受け入れるであろうし、もしかしたら、好きなのかもしれない…いや、彼を好きにならない人がこの世に存在するだろうか、とまで考えた。そのことが、また彼女を悲しい気持ちにさせた。
マスタースは、”——そもそもシャレット姫との話が先に会ったのに、自分が告白したから神が私に罰を与えたのかもしれない――”そんなことを考えていた。
***
一方、マスタースの考えとは異なり、コーシャル卿から正式に婚約の依頼を受けたシャレット姫の心は荒れていた。
「ついに結婚か…」
当初はいつ婚約してくれるのかと心待ちにしていたが、最近はそんな気持ちも消えていた。
特にセクシーでエキゾチックなイケメンの大公(カフメン大公のこと)と会ってからは、婚約が破棄されることを望んでいた。
彼女は元々、氷の微笑をするイケメンよりも、セクシーなイケメンがタイプだったのだ。
*
しかしこの話が来た当初は勿論大公のことは知らなかったし、コーシャル卿が最良の相手と思われた。
彼は政略結婚する相手の中で最もイケメンだった。なので、彼を選んだ。(シャレット姫は面食いらしい)
だけど、今は状況が違う。コーシャルくらいイケメンだけど、彼よりもセクシーな大公が現れた。しかも自分を心から愛しているようだ。
(これはシャレット姫の勘違いですが、原作にこうありました)
シャレット姫は大公と二度会っただけだが、カフメン大公に恋していた。
*
「分かりました、結婚します」
シャレット姫は婚約を承諾した。
微妙な気持ちだったが、結婚を拒絶するには彼女の国の状況が悪すぎた。カフメン大公も王族ではあるが、彼の国とは接点が希薄であった。
一方のコーシャル卿は西大帝国ナビエ皇后の兄であり、東大帝国の名家の跡取りでもあり、西大帝国の皇帝が信頼する代表騎士でもある。
身分はカフメン大公の方が高いだろうが、コーシャル卿と結婚するほうが自国のためだと考えた。
「よろしくお願いします」
笑顔でこう返したシャレット姫だったが、心は絶望していた。
***
同じころ、ハインリはエルギ公爵から届いた手紙を読んでいた。
その手紙には、月大陸連合の首長の思惑について書かれていた。
西大帝国と東大帝国を潰すことが彼の目的であるらしい。
首長は顔に出さない人なので、手紙の内容はありがたいと思った。
*
ハインリは手紙を見に着けて、下を見下ろした。
彼は地上から15メートルほどの崖にいた。近くの茂みに体を隠して周囲を伺っている。その下には民家があり、その近くに魔法石を隠していた。
しかし、その周りを多国籍軍第四騎士団の騎士たちが巡回しているので、対応を悩んでいた。
騎士たちを蹴散らすことは簡単だが、その手を何回も使えば、エインジェルの知る所になる。
エインジェルがこちらに来る前に、何とか無理をしてでも魔法石を取得する必要があると思った。
*
そして、エルギ公爵の手紙のには、「話し合うことがあるのですぐに西大帝国に来る」ともあった。
なので、何とか早く魔法石を回収して帰国したいところだ。彼は顔を覆って、茂みから飛び出た。
*****
その頃ナビエは不安に駆られていた。
確かにハインリはこれまでも席を外すことはあったが、赤ちゃんが生まれてからは初めての外泊だった。
しかしハインリは魔法石を急いで回収しなければならないので、仕方ない事だ。
出かける前、ハインリは何度もナビエに謝った。そして、鳥にならなくてはいけない最小時間や、鳥の時の食べ物などを教えてくれた。
そして、ナビエと赤ちゃん交互に抱きしめ出ていった。
*
ナビエはなんとか彼を助けたいと思ったが、出産後体調がまだ全快しておらず、長時間部屋の外に出るのも一苦労だった。短く散歩するのが限界である。
なので、宮殿で赤ちゃんの世話に徹しようと思った。
***
しかしそれも簡単ではない。鳥の時はハインリが一人で世話をしていたが、それも加わった。
人の姿の時にはおとなしかった双子が、鳥の姿になると「ピアアアア!!!」と大きな鳴き声を上げた。
双子はお互いの鳴き声に驚いてびっくりして内更に鳴いたので、それに疲れたナビエも上半身をベッドに倒した。
すると、ベッドに広がったナビエの長い髪を、双子の鳥はグルーミングし始めた。
それを見てくると笑いが込み上げてきたナビエ。かわいいなと思うのであった。
***
赤ちゃんが人の姿に戻ったので、寝室を出てゆりかごに寝かせた。
侍女たちが入ってきて、一晩中ナビエが見ているので疲れていないかなど心配していた。
*
ナビエが侍女たちとワイワイ話をしている途中、窓の外に奇妙な動きをする鳥が見えた。
鴉のような鳥が、不自然にこちらに向かって羽ばたいている。ナビエは咄嗟に、ハインリの種族の鳥ではないかと思った。
侍女たちに赤ちゃんを預けて一人になり、窓を開けて鴉を招き入れた。
*
すると待っていたかのように鴉は部屋に入って来た。
丁寧に挨拶をした鴉は、ソファの後ろに向かって隠れた。
…暫くするとソファの後ろから人の声が聞こえて来た。
「この状況で申し訳ありません、皇后陛下。ハインリ皇帝が昨晩最後の魔法石を回収しに向かいましたが、以後連絡が取れません。」
何と言うことだろうか…と思うナビエだった。
*
続く。
最近のシャレット姫の話は笑ってしまいます。勘違いが色々ありますが、なんだか微笑ましいですね。
なのですが、コーシャルの決定は切なすぎる…。なんとか、覆る路線は無いかな…とおもったんですが、どうなんでしょう。
*
そしてハインリ、ついに最後の魔法石を回収しているのですね。
そこで消息を絶ったという連絡…ナビエは不安でしょう。
彼が無事であることを祈ります。
*
この続きの241話はこちらから
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