LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
241話 どこへ行きましたか?
ナビエはその言葉を聞いて足の力が抜けた。
ハインリが…。頭の中に色々な悪いことがよぎる。誘拐か事故か、はたまた死…と、そこまで考えて頭を振って嫌なイメージを捨てようとした。
後ろにいる鴉が「皇后陛下?大丈夫でしょうか?」と気をつかって声をかけてきた。
ナビエは大丈夫なので、もう少し詳しく教えて欲しいと伝える。
鴉が言うには、魔法石の隠した場所はハインリ以外知らないものがあり、それを一人で取りに行った。しかし途中で連絡が途絶えた。
彼の推測するには、ハインリは翼を傷つけて飛べないのではないか、ということであった。
*****
あたりに木が見えないだだっ広い草原。草原近くの小屋にエインジェル率いる第四騎士団がいた。
外では彼らの旗の靡く音がごうごうと聞こえる。
そして今、小屋の入り口の前で銀髪の兵士が大きな鳥かごを持ち団長・エインジェルに話しかけていた。
その鳥かごには…大きな金色の鳥が翼に包帯を巻いて力なく座っていた。
*
これは野生の鳥ではない、とエインジェルと騎士たちは話をしている。
エインジェルはそれよりも「ハインリ皇帝は魔法石の現場に現れたのか?」と尋ねる。兵士は「いいえ、この鳥だけがいました」と答えた。
エインジェルはハインリが他の場所に行ったかもしれないと呟く。
そして鳥(ハインリ)については、怪我が酷そうなので、育てられる人を探すということになった。
*****
その頃、西大帝国の接見室にはハインリと会う予定のある側近たちが集まっていた。マッケナもいなかったからなのか、皆困って随分騒々しい状況だった。
ナビエはそこに呼吸を整えて入っていた。
「皇后陛下?」
その場にいる人間からは驚きの声が上がったが、みなどういう反応が良いのか分からず、目をきょろきょろさせてとりあえず口をつぐんだ。
*
ナビエは入って行って、いつもはハインリが座る最上位の席に座った。これにも軍隊の皆は驚いた様子で、どうしたらよいのかという顔で見る。
ハインリが魔力減少現象に関係しているということは殆どの人間が知らない以上、ハインリが帰らない事実は隠し通すしかなかった。いったところで誰が反発するか分からない。
そして、それに関連してハインリが帰ってきていない理由も秘密にしなくてはならなかった。
「ハインリは大陸連合することで秘密裏に動く必要があるため、現在不在です。迷惑をかけている事実を隠すため、今日は信頼できる皆さんだけを呼んでいます。」
ナビエはハインリ不在の事実を隠すため、この場に集まった人にわざと信頼を置いているということを強調して話を進めた。この言葉には、ケトゥロン侯爵を始めとする側近何人かも敏感に反応したようだ。
更にナビエは言葉を続けた。
「陛下の業務をよく知る私が遂行します。あなたたちも多くの手助けをお願いします」
ナビエは不安な心をできるだけ表に出ない様に、平静を装ってこう話をした。冷徹な態度をすることには慣れていた。おかげでその日の軍との会議は滞りなく遂行された。
*
しかし実際は、会議の間もハインリの事が気がかりでならなかった。ふと緊張が解けると、「ハインリはどこ?!」と叫んでしまいそうだった。加えて、出産してまだ間もないナビエは長時間に及ぶ会議をコントロールすることは難しく、終わってすぐに疲れ果ててしまっていた。
ハインリの事は、鳥一族の皆が何とかしてくれるはず。騎士を動員すれば連合に怪しまれる…そう信じて進めるしかなかった。
*
会議が終わって歩いていると、反対側からカフメン大公が見えた。彼とは挨拶だけをして通り過ぎようと思ったが、心を読んだ大公は突然ナビエに向かって走ってきた。
「…本当ですか?」
こういう時は長い説明をしなくてよいことが楽だなとナビエは思った。
それと同時に、彼の友人であるドルシはハインリの捜索を手伝ってくれないだろうか?と思いついた。
カフメン大公は期待しないでくださいと言った。
*
数時間後、ドルシを連れて来た。
ナビエは彼を甘いお菓子などでもてなす。宝石を欲しいだけ上げるので手伝ってほしい、貴重な宝石も色々あげるから…と言った。
それでもドルシは断ってきた。
そして彼は「悪いが自分は人間の仕事には深く関与したくない」と答える。
しかし、ナビエは「ダム建設には理解してくれたじゃない」と答えた。
するとドルシは驚いた風にして、『あなたはどうやって私が龍であることを知ったのです?』という目でナビエを見つめた。
彼はすぐに表情を戻して「それとこれとは違う。協力できない。」と答えた。
さらにドルシは話を変えてこう続けた。
「あ、そういえば変な名前の女(ナビエのこと)。赤ちゃんが生まれたのですか?」
***
ナビエは赤ちゃんを見て回る。赤ちゃんたちは別々のゆりかごに寝ることが気に入ったのか、彼女が交互にそれを揺らすと楽しそうに笑った。
ナビエはドルシが何か赤ちゃんにいたずらをしないか心配で、彼が帰った後も気を抜けなかっただけであったが。
*
暫くして、外からランドレ子爵が「トロビー侯爵夫人(ナビエの母)が来ました。」と告げた。
ナビエはびっくりして立ち上がると、久しぶりの母との再会を喜んで、抱きしめあった。
そして、ルベティも一緒に来ていた。母は彼女と道中で会ったらしい。ナビエはルベティとの再会も喜んだ。
*
一方で、ナビエの父はこちらに向かう途中、シャルルが皇位継承権を放棄するというニュースを聞いて、急遽引き返したらしい。
この話にはナビエも驚くと同時に、リールテアン大公がそれを知って静観しているだろうか?と疑問に思った。
しかし、皇位継承権を放棄すると決めた際には大公は近くにいなかったし、彼も今は療養中の身だから…と母は説明した。
母は色々は話をしているとナビエが顔色が悪い事に気づき、座るようにと促した。
ナビエは、母にハインリの話を打ち明けたいと心から思ったがそれができないのが苦しかった。魔力減少問題のことは誰にも話すことができない。
*
無理やり笑顔を作ったナビエは、立ち上がって母とルベティに子供たちを見てもらいたいと寝室に連れて行った。
そこには横になる二人の赤ちゃんが。
赤ちゃんを見た母もルベティもとても喜び、こちらは誰に~~に似ている!などと議論しあった。その間もナビエの頭には”ハインリはどこにいるのだろう…”と言うことが消えなかった。
ナビエは赤ちゃんの名前を紹介する。「女の子がラルスで、男の子がカイサです。ラリ、カイといつもは呼んでいます」と教えた。
母はカイの表情がお前と似ていると言う。そして「あなたが人生で唯一ぼーっとしていた時期よ」と付け加えた。
***
ナビエの母が侍女たちと赤ちゃんの面倒を見ている間、ナビエはルベティを別室に呼んだ。
そして、彼女の東大帝国での
出来事についての話を聞いた。
しかし暫く東大帝国の話をした彼女は突然深刻な表情になってこう告げた。
「皇后陛下。カルル侯爵様について、申し上げることがありました」
何だろう‥と思うナビエだった。
*
ルベティはソビエシュとカルル侯爵に関する出来事を報告した。
・ソビエシュが苦しんでいたが、忠臣のはずのカルル侯爵はそれを放置。帰ろうとしたルベティを引き留めに来たこと。
・そして後でルベティがソビエシュに甥を見つけてくれたお礼を伝えに行ったら、ソビエシュは反応がなかったこと。
これを聞いたナビエは、『カルル侯爵はソビエシュの記憶を取り戻そうとしているのだ…。刺激を与えたらもとに戻るのかもしれないと思っているのだろうか…?』と思った。
*
そしてルベティの甥のアンを見て何かを感じていたというソビエシュ。確かに彼はラスタの娘を愛していたのだ、と思った。
それと同時にナビエはハインリのことを思い出し涙が出そうになった。
彼はここに居た時、鳥の姿で何時間も赤ちゃんを抱いて、餌をやり、毛づくろいをしていた。
それなのに、今ここに居ることができないなんて、どれほど怖いことだろうか…と思ったのだった。
*
続く。
鳥の姿になったハインリを見て、エインジェルがハインリと気づかなくてよかった!と思ったのですが、当たり前ですよね(笑)そりゃあ、分からないか。
ナビエサイドに慣れすぎていた。
*
そして!私はドルシが龍だということに気づいていませんでした!!
すみません…どこかの小説の伏線を削除してしまっているのかもしれません…。
なるほど、だからナビエが皇后だということもすぐ気づいていたのですね。
それにしても龍も来る魔法学校、すごすぎんか?(笑)
たまに大げさなほどのファンタジーが入るこの作品が好きです(笑)
*
この続きの242話はこちら
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