LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
211話 意欲的
「ソビエシュがここで?」
ナビエは信じられ再度質問した。そうだ、と答えたソビエシュの顔は歪んでいた。
彼の心を察したナビエは手で彼の顔をつつんだ。するとハインリの少し表情が和らいだ。
ハインリはため息をつきながら「あんなに広い国土があって、たくさんの別荘もあるのに、なぜわざわざここに来ようと言うのでしょうか。」と言った。
ソビエシュは少し前にエベリーを送り出してカフメン大公やナビエの療養をさせた。敢えて彼が来て、ここで過ごす必要はないはずだ。
なのに、彼はここに来ると言う。疑問しかないハインリだが、エベリーの助けを借りたこともあり、断ることは難しかった。
ハインリはナビエに、「あなたに未練があって来るのではないか」と不安を伝えた。
ナビエは「私の夫はあなたです」と伝える。
それでも不安が残ったハインリは、視線を下げクイーンの姿に変身した。
クイーンの姿になった彼の頭をナビエがなでる。
ナビエもこの話は仕方無く受けるが、その対価として岩石系の魔法使いを借り、ダム建設に力を貸してもらおうと考えていた。
それでもハインリの不安は察するに余りある。どうやったら安心してくれるだろうか、と考えるのだった。
*****
療養に来ていただいても構いません。
西大帝国は空気が澄んでいて景色も美しく過ごすに快適ですのでソビエシュ皇帝の回復にも役立つでしょう。宮殿に滞在頂いても問題ございません。
もしよろしければ、岩石系の魔法使いのお力を借りたいと思います。ダムを作ることが急務ですので…。お力添え頂ければと思います。
また会えることを楽しみにしています。
東大帝国の執務室でこのようなメッセージがソビエシュの元に届き、それを従者が読み上げた。
「つまり滞在するなら魔法使いを貸せという話だな」ソビエシュはそう理解した。
正直に言えば、東大帝国の方が空気もよく天気も良かった。しかしナビエに会えるならと思い、思わず笑みがこぼれた。
ソビエシュは椅子から立ち上がり窓辺を歩く。窓にいると思わず心配して側近たちがソビエシュの後を追った。
「飛び降りないので、心配するな。酒に酔ったと聞いているが今は飲まない。」そう言って、ソビエシュは窓の下を見下ろした。
「ここで見る風景は見慣れているのに…ナビエがいないことが寂しいな。一番怖いのはナビエが枕を振り回している時だと思っていたが、もっと怖いことがあるとは‥。未来の自分の愚かさが恐ろしい。」
*
ソビエシュは、「昔ナビエが桃を入れて枕を投げて自分の頭に当たった。副作用が今来ているのか?」と下らないことを口走る。
それを聞いたカルル侯爵は答えなかった。それでもソビエシュがしつこく聞くので、6年前の確かにそのような出来事があったが事実よく知らないと答える。
「ナビエはどのように成長したのか?」ソビエシュは他にもナビエについて聞いた。
カルル侯爵は「背が高くなり、とても威厳のあるお姿に育ちました。ナビエ様と陛下は誰が見ても感嘆するほどの皇帝・皇后でした。」と答えた。
これを聞いたソビエシュは一度自分を殴って前の状態に戻りたいと言った。カルル侯爵は言われた通り試してみるも、彼は戻らなかった。
ソビエシュは窓の外を眺め思いふけった様子になった。
カルル侯爵はそれよりもグローリーエム姫とナビエの妊娠について、記憶が後退したソビエシュにどう伝えるかを悩んでいた。
そのカルル侯爵の様子を見たソビエシュは、言いたいことがあれば言うように、と告げる。
なので、カルル侯爵はまず、ナビエの妊娠について打ち明けることにした。
それを聞いたソビエシュは狼狽えた様子だった。そして、曖昧な表情になった。カルル侯爵は既にこの時期のソビエシュが自分たちの不妊問題について疑いを持っていたのだろうか、と疑問に思った。
しかしこの時期のソビエシュとナビエは夜をともにしたことは無かったので、反応としては不思議だった。ともかく、カルル侯爵が予想したよりソビエシュの反応は鈍いものだったので、彼は不幸中の幸いだと思ったのだった。
*
カルル侯爵は加えて伝える。
「ナビエ様は陛下と仲が悪い状態で別れました。そしてナビエ様は今の陛下の状態を知らないので冷ややかな対応が予想されます。今は私たちの知らない姿かもしれません。」
ソビエシュは分かったと答える。
それでも良かった。彼女に何としても会いたいと思った。国のためにも。
*****
その頃ナビエは自分の魔法について思い悩んでいた。
本当に川の水を凍らせるほど強くなれば良いのに、と。
その話を聞いた侍女たちは驚きの表情。ローラは「既に陛下は素晴らしい方で、魔法使いを利用する側なのだから、自分が魔法使いになる必要はありませんよ」と告げた。
ジュベール伯爵夫人とマスタースはチェスをしており、口を挟まなかった。
*
ナビエはため息をついて、庭の池を眺めた。そこはナビエが魔法の特訓をした残骸…15個の氷が浮かんでいた。
今回ソビエシュの滞在の対価として魔法使いを借りれるとしても、どうなるか分からない。自分の魔力も高めておきたいと思っていた。
本当は魔法学校に行き習うことができれば良いのだが、ハインリの疑いによって(今はもう魔力減少策をしていないが)習うことはできないだろう。
ナビエはそこで「そういえば」とカフメン大公の事を思い出し、彼に助けを乞うことにした。
しかし彼は聞いてすぐに「できない」と答えた。
彼は似た系統の魔法を使える人間でないと役立たないと言う。なので、氷系の魔法が使える彼の友達をここに呼んだと言った。
だが、その人物は貴族を嫌悪するそうだ。彼は平民だが両親は解放奴隷であり、ナビエに協力するかは分からないと言う。
カフメン大公は「これは聞かなかったことにして欲しい」と言った。
それを聞いていたマスタースは「陛下が皇后と言うことを隠して学んではいかがですか?」と告げた。
ナビエはそれも一案だと思ったが、カフメン大公は良い顔をしない。
カフメン大公が言うには、ナビエは皇后と名乗らなくてもその立ち振る舞い、言葉から高貴な人間ということが分かると伝えた。
そこでナビエは、「おい、女ども!そこのハンサムなお兄ちゃん。金も時間もある私と一杯どうだ?」「これでどうですか?」と言ってみた。
これを聞いたカフメン大公は驚いて声を出して笑い、破顔したのだった
*
続く。
ソビエシュが来ることを許容したハインリえらいです…。また波乱が起きそうですね。ナビエのことを自分の妻だと思っている状態の彼だし…。
そしてカフメン大公は何やら不思議な友達を呼んだそうで。
というか、貴族が嫌いなやつをよく宮殿に呼ぶなあ(笑)そもそも来てくれたらなんとかなるんじゃない?と思う私でした。
*
この続きの212話はこちらから
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