LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
246話 決断
「皇后陛下、これまで元気に仲良くなったんですか?」
ハインリが行方不明になった後、探しに出ていたマッケナが宮殿に戻ってきた。ハインリと同じ鳥一族はハインリを探すため皆で捜索に出ており、マッケナもその一人であった。
マッケナは本当に多忙な中、仕事を差し置いてハインリを探すことを優先して行ったのだが、ナビエは久しぶりの再会を喜んだ。
「ハインリーは見つかりましたか?」とナビエは聞いたが、帰ってきた彼の表情は暗いままだった。どうやらまだ見つかっていないようだ。
しかしテーブルを見たマッケナは驚くの表情で口を開ける。その視線の先にはエインジェルが持ってきた鳥かごがあった。中には金色の羽を持つ鳥が入っている。
「皇后陛下。ハインリ陛下に会いたいのですね…」どうやらマッケナはナビエがハインリを恋しく思って持ってきたと思ったらしい。
間違ってはいなかったので、否定はせず「会いたいですね」と答えた。鳥はハインリではなく、ましてや自分が連れてきた鳥でもないが‥。
*
結局、ナビエはその鳥は多国籍騎士団第四騎士団団長が持ってきた鳥だと伝えた。
その答えに酷く驚いたマッケナ。ハインリの正体を知っているのかとナビエに聞いたので、「そこまでは知らないでしょう。ハインリが育ている鳥と思ったようです。」と答えた。
マッケナは少し安心した様子になりつつも、ハインリを助けに行きましょうと、今にも出る勢いだった。
しかしナビエは否定的だ。皇帝が不在の中、鳥を探すために全力を注いだら、(仮に騎士たちを投入するなどしたら)、エインジェルに怪しまれるだろうと思ったからだ。勿論全面戦争は西大帝国としても避けたかった。
秘密騎士団に任せればいいのかもしれないが、それこそ月大陸連合に宣戦布告をしたと思われるかもしれない。
そうなれば、西大帝国の横暴と考える他国がこちらに批判的になる可能性もある…。
*
ナビエはマッケナが落ち着くのを待ち、エインジェルが行った後ずっと考えていたことを切り出した。
「私は新年会に直接行きたいと思います。」
マッケナはその言葉にひどく驚いて「やめてください!」と叫んだ。
だからといって、このままハインリをずっとこのままにしているわけにはいかない。
エインジェルにこのままハインリを長く捕えさせているのも危険だった。彼はハインリに虫を与えるかもしれないが、彼はそれに苦しむかもしれない…。
「私は護衛たちと一緒に行きます。視線をこちらに引きつけますので、マッケナはハインリを探してください」と伝えた。
マッケナは心配な顔だった。危険だと言いたいようだが、結局ハインリを早く返さなくてはいけないということもあり、反対できないようだった。
しばらく悩んだ後、マッケナはナビエの意見を受け入れ、鳥総族を集めて再び宮殿を去った。
ナビエは宰相に、「私とハインリどちらも新年祭に出席します」と伝えた。
ハインリーがクイーン」の姿でエインジェルに握られている可能性も考え、新年祭に行くと返事を書いたが、それでもなんとかすれば遠い姿に戻ってほしいのに。
私の推測が間違ってもその方が良いからだが、ハインリーは結局新年制に出席するために出発しなければならない日までも戻ってこなかった。
*
連絡がないのはハインリだけではなかった。
ソビエシュからも返事がなかった。ナビエはソビエシュは絶対自分の提案を受けると思っていたので、びっくりした。
まだ皇太子時代の記憶の状態なのだろうか。だから考え方が違うのだろうか。それにしても、拒否するのなら拒否する旨の返信をするべきなのに、それすらない。まだ考えているのだろうか‥と理由が分からず考えあぐねていた。
すると「もう出発する時間です」というランドレ子爵の声がけがあり、結局もんもんと悩んだまま馬車に乗った。
*
いざ馬車が出発すると、悩みよりも複雑な気持ちから来る眩暈の方が強くなった。
ナビエの考えではエインジェルは「クイーン」を連れまわしていると考えているが、それがナビエの誤解ならどうしようという考えもあった。
ラリとカイの赤ちゃんたちを置いてきたのも心配事だった。
マッケナに頼んでハインリの乳母を連れてきてもらい、ラリとカイの面倒を任せたが、あまりにも幼い赤ちゃんたちだ。連合軍の本部も西大帝国からそこまで離れていないが、それでも両親どちらもいないことは心配だった。
ナビエは巣の中で庭の雛のことを想い、胸が締め付けられる気持ちだった。
「ラリ、カイ。ママがパパを見つけて連れてくるからね」と固く誓ったのだった。
*****
その頃の東大帝国。
ソビエシュは最側近の秘書陣だけを集め、ナビエが東大帝国大使へ伝えた内容について議論していた。
大使は天候の問題で少し遅れて伝達したので、やっと今議論に入ったところだった。
秘書たちの議論では、ナビエが中心となりかじ取りが出来るなら悪くない提案という話だった。しかし、ハインリがいることは彼らの懸念の種だ。
そして、この状況下で彼が正しい判断を下せるのかも秘書陣の懸念材料だった。ソビエシュは自分の状態は分かっているから議論を続ける様に進めたので、議論は続いた。
(彼は自分自身が幻聴と幻想にさらされるということに気づいていた。自認するということは自尊心を傷つけられたが自尊心のために国民を路頭に迷わせるわけにはいかないと思った。彼は病気がすぐに改善しないなら、むしろ認めて代替案を取る方が良いと思っていた)
カルル侯爵は西大帝国の提案には慎重姿勢だった。大使より、連合が西大帝国に提案した内容もしっていたので、そちらとも手を組むかもしれないと考えた。(両方と手を組むと言う意味)
しかし長期的には、どちらも連合軍の粛清対象となるに違いないと考えていた。
他の秘書は、「魔力減少問題の主犯である疑いのある西大帝国は連合より危険な存在なので、慎重にすべき。連合と手を組んで西大帝国を押さえ、連合が秘密を把握する前に連合を打つのはどうか?」と言う。
しかしそれには指揮命令する人間が必要だが、今ソビエシュには不安がある…
秘書たちは一生懸命議論をしたが、結局はソビエシュの現在の健康状態の問題に行きついたのだった。
仕方ないことだった。今の議論の途中も皇帝は何度も空を見つめて独り言を言っていた。
しばらくして、ナビエからの提案の返事のためには、ソビエシュの代理ができる皇族を探さなければならないという話で持ち切りになった。
ソビエシュは目頭を押さえて結局、しばらく悩んだ後、彼は口を開いた。
「手を組もう。」
ずっと沈黙していたソビエシュの言葉を聞き、皆が黙って彼を見つめた。彼の精神状態がどうであれ、皇帝の提案は受け入れなくてはいけない。提案を受け入れると主張した秘書陣は喜んだが、反対意見の秘書陣は懸念の表情をしていた。
「ただし。」
しかし、ソビエシュは条件をつける言葉を続けて…?
*****
連合側の本部は西大帝国とあまり遠くなかったので、ナビエはたいして遅れず招待状に書かれた場所に到着することができた。
窓から外を見ると、様々な馬車が集まっているのが見えた。馬車につけられた各国の国旗も様々で、そこを囲む護衛たちも普段のパーティーよりもはるかに多かった。各国の王と王妃が集まる祭典だからだ。
ナビエは東大帝国皇太子妃だった時代にここに来たことを思い出した。その時は隣にソビエシュがいた。
しかし今は一人だ。この事実は少し心に響いた。
その様子を反対側に座ったマッケナが心配して声をかけたので、ナビエは問題無いと言い、気持ちを奮い立たせた。
マッケナの表情を見るに、彼も緊張していることが分かった。新年祭が開かれる大きな建物の中に入ると、マッケナは他人の視線を避けてハインリを探さなければならないからである。
そして、ランドレ子爵も緊張しているのか普段より表情が暗かった。彼の場合はニアンとまた争ったのかもしれない。心配だが今はハインリーが優先だ…。
*
ナビエはランドレ子爵のエスコートで馬車から降りた。
他の馬車から降りた他の王族たちもナビエを皆が見た。ナビエが初の再婚した皇后だからなのか、それとも西大帝国皇后だからなのかは分からない。いずれにしても暖かい視線ではない。
続いて馬車から出たマッケナ。
ナビエはマッケナとランドレ子爵を従えて連合本部の建物へ向かった。
*
今日は新年祭の当日ではないが、連合本部内に続く道はすでに祭りの準備がされていた。照明が明るく白い石畳が眩い。
道を抜けて建物に入ると、「西大帝国皇后陛下」とすぐにエインジェルに声をかけられた。
彼は西大帝国を出発する際に連合本部ではなく別のところへ行ったと聞いたが、こちらに戻ってきたのか?と疑問に思うナビエ。
エインジェルが部屋へ案内すると言うので、多国籍騎士団の騎士軍の案内を受け、用意された部屋に入った。
「ハインリ陛下と一緒に来なかったのですか?」と聞くエインジェル。
ナビエは用事があり、私が先に来たと回答。
「そうですか」と言うエインジェル。それをランドレ子爵は静かに睨んでいた。
続けてエインジェルは、「新年祭は初めてですか?…ああ、申し訳ありません。違いましたね。以前に来たことがあると記録で見ました。別の旗でいらっしゃいましたが。安心してください。東大帝国皇帝陛下は新年祭に参加できないと連絡がありましたので。」と嫌味を言った。
面倒な人間だと思うナビエだったが、それよりもソビエシュが新年祭に出席しないことが気にかかった。
意外な話だ。いつもは新年祭に参加し雰囲気を見て、他の国の王族に東大帝国の威厳を振りかざしていたので、今年もそうすると思っていた。
記憶が皇太子時代から戻っていないからだろうか。しかし、他の国の王族はソビエシュのその様子を見ても皇太子の時代の状態だとは気づかないだろうに…。ナビエは不思議に思っていた。
*
そこへ、黄金色の紫色の目を持つ鳥を連れた、エインジェルが現れた。
それは、ハインリだった。鳥かごの中に閉じ込められていた。彼にも紫色のリボンが巻かれている。
憮然としていたハインリ(鳥)だったが、ナビエの姿を見るや否や、飛び出る勢いで反応した。これにはエインジェルも驚いた様子で、じっとナビエを見つめ不気味に笑っていた。
*
続く。
時間を空けてしまいすいません。
ハインリを見つけました!やったーーー!
でもどうやって籠からでるのだろう?何とかうまく新年祭にも参加して欲しいですね。
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そういえば、原作の挿絵でエインジェルを見たのですが不気味な見た目です。色白で銀髪?かな。
ちょっとドラゴンボール超の”ウイス”に似てました。ご参考までにこちら(笑)
https://www.toei-anim.co.jp/tv/dragon_s/chara/chapter4/no07.html
漫画でどのように描かれるのかが楽しみです。
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この続きの247話はこちらから
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