LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
203話 ソビエシュの絶望(4)
騎士はソビエシュに「ヴェルディ子爵夫人を発見したが、グローリーエムは見つけられなかった」と報告した。
ソビエシュは暗く沈んだ顔で話を聞く。
騎士が言うには、発見したのは国境の外の森。近くに集落は無く、馬車はひっくり返り子爵は怪我をして気絶状態だった。そして宝石や金品は全て盗まれていたそうだ。
つまり、馬車に強盗が入り、赤ちゃんを奪って逃走したという話だった。
それを聞いたソビエシュの顔面は蒼白になった。急いで近隣の村と森を捜索し、突然子供が住むようになった家や不審な旅行者など皆を調査するように伝えた。
騎士はヴェルディ子爵夫人の処遇に関してどのようにするか確認。一旦それはソビエシュの気も回らず後回しになった。
※本来であれば赤ちゃんを連れて逃げたことは大罪だが、そもそもソビエシュの計らいもあり脱出ができていたのでお咎めをどうするのか悩ましい模様。
ソビエシュはグローリーエムの行方が気になって仕方なかった。森に置き去りにされているのだとしたら、獣に襲われているかもしれない。もしくは盗賊たちが奴隷として売るのだろうか。
考えるうちに耐えられくなりまた酒を飲んだ。
酒を飲むソビエシュを見てカルル侯爵が止めるも、ソビエシュは止めない。
カルル侯爵は「今回の話はエルギ公爵による嘘です。彼が陛下を混乱させようとしているだけです。検査結果も手紙で残したこと自体悪い意図が見え隠れします、絶対に信じてはいけません!」と伝える。
勿論ソビエシュはエルギ公爵も捕まえようと騎士を派遣したが、彼は既に首都を離れて港へ行き、そこから出向した後だった。
なので彼がそもそも神殿にいた理由、手紙を残した理由は、闇の中であった。
ソビエシュ自身も勿論エルギ公爵が残した手紙が嘘である可能性は考えていた。しかし、逆に少しでもグローリーエムが自分の子供である可能性があると考えると、カルル侯爵の忠告を素直に受け入れることができなかった。
待望の子供を自分の手で捨てたと思うと耐えることができなかったのだった。
***
切実な願いも虚しく、グローリーエムは発見されなかった。近隣の国、森などをくまなく探したがどこにも見つからなかった。
そんな中、ソビエシュは日中は完璧に職務をこなしていた。多くの人々は彼が元の姿に戻ったと思っていた。
しかし実際は違った。彼は夜な夜な大量の酒を飲み、寝室で声を上げて泣いていた。
カルル侯爵と医師は必死にそれを止めたが聞く耳を持たなかった。
*
そんな中恐ろしいニュースが入ってきた。森で騎士が血まみれになったグローリーエムの服を発見したという。サンシチェオンの首長が死んだと偽装するように命令して部下たちがわざと作成したものだった。
しかしそれを知らない騎士は赤ちゃんは死んだと確信した。
*
血に濡れたグローリーエムの服を受け取ったソビエシュ。信じることができず、服を抱きしめておいおいと泣いた。
抱きしめながら赤ちゃんが発した「アバ!」という可愛い声が脳裏に浮かぶ。さらに彼の頭にはラスタの「私を信じて。陛下の娘です!」と言う悪意に満ちた叫びが聞こえた。ソビエシュはもう自分が赤ちゃんを殺したと変わりないと思っていた。
ソビエシュは耐えられず壁に頭を打ち付け「赤ちゃん、お父さんも連れて行ってください・・・!」と叫んだ。
ナビエも意識不明で娘も死んだ。喪失感に耐えられず、自分も死んだほうがましだと思っていた。
物音に気づいた秘書たちが集まってソビエシュを止めようとしたが、彼は頭を壁に打ち付け続け、血が出るまでやめなかった。それどころか「赤ちゃんを探すんだ!私の赤ちゃん!」と狂ったように叫び続けた。
仕方なく近衛騎士がソビエシュを気絶させ、寝かせた。ソビエシュの状況はとても深刻だと思われた。
秘書たちは皆、せめてナビエのために派遣したエベリーが戻れば‥と願ったがまだ彼女は戻ってきていなかった。
*
目覚めたソビエシュは部屋にかかった2つの絵を見てまた声を殺して泣いた。涙でぼやけた視界で、ナビエの絵と赤ちゃんの絵が合わさり、彼が夢にみた幸せな家庭が見えた。
彼は「ナビエ…助けたナビエ…私を助けて下さい」と呟く。
しかしナビエはいない。死んだかもしれない。おかしくなって笑いが込み上げて来た。グローリーエムはどこへ行ったのだろう。寂しくないだろうかと気にかかって仕方がなかった。
再度騎士に酒を持ってくるように指示して酒を飲む。
酒を飲みながら泣きながらナビエに話しかけると、ナビエは”お酒は止めて下さい”と言う。
「せめて生きていて欲しい。ナビエ…」と口にするとふとナビエの声が消えた。ソビエシュは立ち上がって部屋でナビエを探し回ると、ふと窓の外にラスタが見える。
幻想だ!幻想だ…と思いながらも、ソビエシュはラスタを見る。
ーー彼女は屋根の上にいた。その銀髪は地に濡れていて、歩いている足元のナビエを見下ろしている。そしてラスタは笑いながらナビエを指さす。
「ダメだ!」ラスタに静止を求め、思わずソビエシュは窓から身を投げたのだった。
*
続く。
また面白くなってきました…!
ソビエシュ、完全に狂ってきましたね。自業自得とはいえ、これだけ辛いことが続くと仕方ないですね。
カルル侯爵は大変だな。。苦笑
そしてエルギ公爵の話は嘘だと言うカルル侯爵でしたが、私はなんだか本当にグローリーエムはソビエシュの子供のような気がしています。
間違いだらけの彼だけど、ちょっと救いがあっていいような気も。
とはいえ、グローリーエムは誰も知らないところで育った方が幸せなんじゃないかな、このまま見つからない方がいいのではと思ったり。
なんだか切ない物語だな。
早くナビエ起きて―!!!
*
この続きの204話はこちらから
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