LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
259話 笑顔での帰郷
もっと詳しく聞きたかったがハインリの表情を見てやめた。
彼本人のことではないし、エルギ公爵がこの場にないのに、彼の重い話をするのは失礼だろうと思った。
質問する代わりに、私はゆりかごに横たわったラリの足の裏をこちょこちょとくすぐった。
馬車がガタガタしながら、窓越しに居心地の良い香りが漂ってきた。
***
馬車での旅行は驚くほど平和であった。
車内でナビエはハインリにランドレ子爵が帰国した後の自分の護衛に関して相談したり、カイの癖について話をしたり、ナビエの誕生日についても相談したりした。
「クイーン、今回の誕生日には何をしたいですか?」と聞くハインリ。
ナビエは、エインジェルが贈ってよこした鳥を部屋に招き入れたいと答えた。
エインジェルがよこした鳥があまりにハインリに似ているのがかわいく、名前をクイーンと付けて読んでいた。
しかし嫉妬からその鳥を嫌ったハインリは、鳥を別の部屋に移動させていたのだった。
*****
そんな話をしていたら、ついに馬車は東大帝国の国境を越え、いくつかの都市と領地を通り、東大帝国の首都の城門の中に入った。
城門の中に入ると、見慣れた通りが見えた。
ナビエはその景色が見える様にラリを少し持ち上げ、窓の外を見せた。
「見て?綺麗なところでしょ?」
***
馬車が城門の中に入る頃には少し気が重くなった。
ソビエシュが出迎えるのだろうかと悩んだ、自分が今東大帝国の皇后であれば、西大帝国の皇帝夫婦を迎えに行くだろうと考えた。初めての連合の相手でもある。
一方でソビエシュは体調が良くない状態だ。
加えて、ソビエシュがラリとカイを見たとき、どんな反応を見せるのかも気にかかった…。
***
ナビエの気持ちとは裏腹に馬車は止まり、ドアが開かた。
表情を引き締めて馬車の外に出ると、多くの人が出迎えた。
普段の出迎え以上の手厚い待遇だった。連合の発足を祝うためのようだ。
知っている顔も多い一方で知らない人間もいるなと感じるナビエ。月日が流れことを感じた。
しかしそこにソビエシュの姿はなかった。
***
代わりに父が現れた。ナビエより一歩先にハインリが近づき、二人はぎこちなく挨拶を交わした。
しかし、初見の人が見たら暖かく見える光景に、東大帝国の人々は驚いているようだった。
ハインリと挨拶を交わした後、ナビエも父と軽く抱擁を交わした。
父はナビエの背中を何度か叩き、ナビエを心配な面持ちで見た。
「痩せてしまったのではないか?」という表情で涙ぐんでいる。
実は痩せたのはナビエではなくハインリだった。
エインゼルに捕まっていた期間に苦労をたくさんしたためか、まだ以前のようには戻っていない。
父が泣きそうになるのを何とか止めるべく、さっさとハンカチを取り出して差し出した。
「体面を守って、お父さま」
そう伝えて、父は渡したハンカチで目をぬぐった。
***
それから父はナビエの肩越しを見て目尻を下げた。
何を見ているのかと思うと、そこには侍女たちが馬車で赤ちゃん二人を抱きしめて立っていた。
父は赤ちゃんたちを初めて見たのだ。
彼はラリとカイを見て、どちらもお前に似ていると喜んだのだった。
*
ふと奇妙な雰囲気を感じて振り返ったナビエ。そこにはソビエシュが騎士と佇んでいた。
***
父はもう少し傍にいたそうであったが、やるべきことが多くまた戻ると言い別れた。
ナビエは用意された部屋に向かう。到着後は荷物を侍女たちが整理した。
その間、ナビエは赤ちゃんたちと過ごした。
ゆりかごの中で鳥となっていたラリを抱き上げる。嬉しいのようで、ラリは鳴き声を出したので、ナビエはそっと諭した。
「ラリ。ここでは変身して、飛びまわってはいけません。わかりましたか?」「わかりましたか?本当に‥。もし飛び回ったら…」
何度もナビエが諭していると、後ろからハインリがナビエを抱きしめた。
「飛び回ったら、どうするんですか。クイーン?」
ラリは両親に同時に抱かれて嬉しいのかさらに鳴き声を出し、その声を聞いたカイは、眠っていたのに起きて、自分だけ仲間外れだと怒って見せた。
*
ハインリはカイを抱きしめ、再び尋ねた。
「飛びまわったら、の続きはどうするんですか、クイーン?」
ナビエは飛び回ったら、お尻ぺんぺんをすると答えた。
では、私が見本を見せて飛んでみましょう。と返すハインリ。(笑)
ナビエは寝室の後ろにある平原に、ハインリが設置した巣にラリを連れて行ったことを知っていた。それで、飛ぶようになったのだと言って少し怒った。
ハインリはナビエにそれがバレていると思っていなかったようで、面くらった表情で「ラリ、お母さんの言うことをよく聞くように」と言ったのだった。
***
ナビエの元を最後に尋ねて来たのは、アルティナ卿だった。
アルティナ卿との久々の再開で挨拶を交わす二人。彼は久々に会ったが全く変わらなかった。
硬い声、きりっとした姿勢、鋭い眼差し…。そのすべてが懐かしいと感じるナビエだった。
自分の大変な時期、伯爵夫人が暖かくナビエを慰めてくれたことを、彼は冷静に支持してくれたことに感謝していた。
*
元気かと聞くと、アルティナ卿は自分の両親と対立があったと言う。
そもそも家庭について話す人ではなかったので、これにはナビエも驚いた。
理由を聞くと、「自分が皇后陛下に付き添って、西大帝国に行きたいからです。」
これには更に驚くナビエ。彼は長男であり、そんなことが容易に許されるとは思えない。
しかし、彼には弟が二人いて、そのうちの一人が家督を継げば良く、その準備をしていたと言う。そのうえで、彼はナビエに従いたいのだそうだ。
この話にはナビエの目頭が熱くなった。こんなにありがたいことはない。
とはいえ、家督はアルティナ卿が継ぐべきだと考え、考え直した方が良いと伝えた。
しかし彼は言葉を遮って、よく考えた結果だと答え、自分の考えたことに従うと言った。
*****
すべての面会者が去った後、ナビエとハインリはラリとカイにご飯をあげ、寝かせた。
ナビエはハインリが大きな鳥の姿になり、鳥に変身したラリとカイを抱きよせたのを見る。
そして、窓に向かって歩いて、カーテンからそっと外を見た。。
外には夜空に広がり、星が見えた。
東大帝国去る前に自分が見たような星空。昨年見たその風景は変わったものは一つもない。
正確には去年は西宮の窓から星を見ていたが今は南宮から見ているため変わっていることをさておき。
夜空はそのままだった。
*
しかし、この1年余りの間、あまりにもたくさんの出来事があった。それを振り返ると不思議な気持ちになり、空を見上げて笑みがこぼれた。
空から、黄金色の大きな鳥が飛んでくる様子が今でも目に浮かぶ。その足に手紙を結んで。
もう……そんなことはない。後ろにその彼がいるから。今、彼はそこで子供たちを抱いて寝ている。
振り返って、また笑みがこぼれた。
***
窓を閉めてカーテンを締めた後、ナビエはハインリに近づき、眠っていたクイーン(鳥の姿のハインリ)の額の上に口づけをした。
彼は寝たふりだったのか、すぐに目を開けてこちらを見る。
そして、紫色の目は優しく笑ったのだった。
*
続く。
いやーーー・・・・すごく更新に時間を空けてすみません!!若干登場人物を忘れている私。(更新空けすぎた)
そんなことはさておき。
*
なんだか今回は終わりに近づいているなと感じました。
それにしても東大帝国をナビエが去ってから1年以上か…。読者としての体感はもっとなんだけど、本当に色々なことがあった1年でしたね。
みんなお疲れ様。(誰目線)
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それにしてもアルティナ卿のことはびっくりしました!
彼がもしや騎士として後任になってくれるのか?めちゃくちゃ安心だなあ。
ナビエの人望でしょうか。素晴らしい人たちが引き続き守ってくれそうですね。
*
ハインリが窓から手紙をつけて空からやってきていたの、ついこの前のように私も感じて懐かしく思いました。
ナビエが辛いときに支えてくれえた人たちが今も支えてくれて、幸せな未来があってよかった。
ソビエシュが過去にしたことはすごく憎いけど、彼が精神的な問題を抱えている状況も長く見たいと思わないので、快方に向かうことを祈ります。
*
この続きの260話はこちらからどうぞ
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