LINEマンガで連載中の『再婚承認を要求します』の原作、韓国小説の翻訳ネタバレを記載。
端折ってまとめて書いているので、全体的に伏線漏れあり。ご了承ください。
過去の翻訳はこちらからどうぞ!
193話 遺言
ハインリはナビエの意見を受け入れ、暫くの間二人で東大帝国に行くことにした。またナビエの両親も西大帝国に滞在して久しいので一緒に行くことにした。
ナビエが法廷に参加している際は二人は領地に帰ることになるだろう。ただ、もしかするとラスタの被害者の証言として証言台に立たなくてはならないかもしれない。
もちろん、ラスタが暗殺者を送った件について、だ。ハインリの機転で事なきを得たが。
ハインリは両親にとって、自分は何点の夫だろうか‥とナビエに聞いてくる。
自分で直接聞いたら?と言うが、それではあんまりだと言い、どうも恥ずかしがっている様子だった。
*
東大帝国に向かう馬車の中で、ハインリはこの道を覚えているかとナビエに聞く。そこは初めて東大帝国から西王国に向かう際にハインリと馬で走った草原。ナビエが忘れるはずがない場所だった。
ハインリは「一生忘れない」と言う。
ナビエも「同じだ」と返事しようと思ったが、敢えて「馬車で体を丸めて脱走した記憶は一生忘れませんね」と答えた。それも間違ったことではない。
ハインリもそれも一生記憶に残りますねと笑った。ナビエは笑うハインリの横顔を見て、当時の気持ちを思い返していた。
――いつ捕まるか分からない不安な道中だった。でも脱出自体は希望に満ちていた。
ハインリは自分を暖かく包み込み、一つとなって道を進んだ。同じことは繰り返したくないが、その過去があったから今がある。その当時があるからこそ今がある。苦労話も今となれば笑い話だった。
ハインリがふとナビエに声をかける。「子供が生まれたら一緒に馬に乗って遊びましょう。子供たちはポニーに乗せマッケナに任せ、私たちは二人で草原を走りましょう。」と。
ナビエは面白いですね、と返したが横にいるマッケナが面白くないですよという表情で、ジロリ…とハインリを見つめていた。
*
道中の馬車内でハインリとナビエのやり取りを見ていたローラ。その様子を見ていて、結婚も良いものですね、と言う。
ローラは元々結婚願望が無かったが、名家のため政略結婚を親は望んでいた。
ナビエが、「ローラがその気になるならすぐ婚約するかもしれませんね」と答えると、それは無いと言う。
理由は、ハインリ陛下のような男性なら大丈夫だが、不運にもジュベール伯爵やソビエシュ陛下のような男に出会う可能性もあるから…だそうだ。
*****
その頃の東大帝国のエベリー。
宮殿の研究室に行くと、イスクア子爵夫妻の裁判の話が自然と耳に入った。
あんなにラスタ皇后を甘やかしていたイスクア子爵夫妻が自らラスタ皇后は偽娘だと言ったという話を聞いた。エベリーはそれには懐疑的だったし、とても驚いた。
しかし、もうラスタ皇后やイスクア子爵夫妻に会わなくて良いと思うと気分が良くなった。
*
エベリーは自分の部屋に戻ると、ドアの前に”エベリーの両親の財産管理人”と名乗る人間が立っていた。
孤児の自分に両親はいないので、詐欺師か?と聞く。しかしその女性は宮殿入館証と国家認証財産管理人の資格証を見せた。ますます自分になぜそんな話がきたのか疑問だった。
そこでエベリーは、「両親は借金を残して死んだから、私に取り立てにきたのですか?」と聞いた。それなら詐欺に近いが納得できる。
しかし財産管理人の女性は「夫妻ではなく、財産を残しました。二人とも亡くなりましたので。かなり多くの額です。遺言であなたに相続してもらいたいということです」と言った。
エベリーはとても混乱する。
突然生みの親が出て来ただけでなく、財産を残し、すでにその親は死んだなんて。にわかに信じることが出来なかった。
顔を見たことも無い。捨てたことを憎み必要ないと思っていた。その親が突然死んだという話に悲しくも無いのに目頭が熱くなった。
エベリーは涙をぬぐいながら、親について名前や墓地の場所について尋ねたが、どちらも遺言で教えないで欲しいと言われている、という。
その話に思わず叫ぶ。そんな話があるか!?と。
確かに女性の話には嘘も交じっていた。
両親はまだ生きていた。今国中の関心を集めている裁判の主人公で、公判中であった。
しかし夫妻は自分たちとエベリーが血が繋がっていることを知るのを恐れた。それは不名誉なことに違いない。なので、財産のみを受け継ぐことを願っていた。
そしてエベリーに当ててこう遺言を残したそうだ。
「本当に愛してる。生涯愛しており捨てたことは無い。生きているときにあなたを守ることができなかった。死んでから必ず守る」と。
***
裁判上から西宮に戻ったラスタは体中を震わせていた。イスクア子爵夫妻の裁判での話の衝撃がまだ消化できていなかった。イスクア子爵夫妻の告白により、二人は皇帝を欺いた罪に問われる。それは、平民の殺害未遂よりもよほど重い罪だった。ほぼ死刑判決のようなものだ。
これでラスタもイスクア子爵夫妻と共謀して皇帝を謀った罪に問われるに違いない。
ラスタは叫んだ。すでに姫を別の男性との間の子と認定されたことも問題であったが、イスクア子爵夫妻の告白により、結婚自体が詐欺のように扱われてしまった。
「違う!ソビエシュの野郎が結婚しようと言ってきたんだ!!」
「エルギ公爵、イスクア子爵夫妻を連れて来たのはあいつなのに!!」
「ロテシュのクソ野郎!!私はあいつに殺されたようなものだ!!!」
様々な暴言を叫び、泣き続けた。
*
徐々に落ち着きを取り戻すと、怒りよりも恐怖心が勝ってきた。一刻も早く逃げなければ、自分も死刑になってしまう。
そこでラスタはラント男爵を呼ぶ。
すぐに来たラント男爵。ラスタは彼に告げた。
「怖い!助けてください、みんな自分の過ちを自分に回している。このままでは死んでしまうが、死にたくない!!私を出してください!」
*
続く。
本当にナビエは思い切って逃げてハインリの元で幸せになれてよかったです。
それに引き換えラスタは…
いよいよラスタが逃亡に向けて動き出しましたが、全部を人のせいだと思っているなんて…
信じられないですね?!
そういうところが根本的に問題だろうに…
さて、第二章もクライマックスですね!次も楽しみ!
*
この続きの194話はこちら
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
押してくれると喜びますー!
にほんブログ村